Canon IXY-DIGITALで撮影した
〜寒立馬 kandachime〜

風速35メートル。氷点下10℃。
この風力は、大型台風の暴風雨圏並みであり、
体重100キロの私が立っているだけで、体ごと吹き飛ばされそうになる風圧だ。

体感温度が-20℃に達する厳寒では、
リュックの中のペットボトルでさえ凍りついて飲めない。
カメラを構えた腕が、風に流され、
ISO感度100のIXY-Dでは、完全にブレてしまう。

そんな気候の中でさえ、寒立馬は生きていた。
朝積もった雪が、強風により夕方には吹き飛ばされてしまう丘で
馬たちは雪を蹄で掻き分け、
中から枯れ草を探しだし、必死に食み続ける。

生きてゆかねばならない。
特に春に出産を控える母馬は、お腹の仔馬の分まで食べ続けねばならないのだから。

強い風に負けぬように、馬たちは頭や尻を風上に向け、
風の抵抗を減らし、枯れ草を食べ続けている。
その姿は崇高であり、余りにも美し過ぎた。

この丘には、果たして春が来るのだろうかとの疑問を抱きつつ、
私はシャッターを押し続けた。
液晶の画面が、幾度となく真っ白になり、
馬の姿を掻き消した。


Vol.1 『旭日の中で』 / Vol.2 『ブリザードに生きる』 / Vol.3 『春が来た』

 Vol.4 『食べる』 / Vol.5 『触れ合い』



〜 Vol.2 ブリザードに生きる 〜






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撮影/津軽海渡+我が友IXY-DIGITAL   撮影地/青森県下北郡東通村尻屋(尻屋岬)
撮影日時/2001年2月24日〜2月26日/2001年5月3日〜5月5日

   


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