デジタルカメラ・ジェーピー

2012年09月18日〜23日開催

「Photokina 2012」会場レポート

2012/09/28
(金)
【フォトキナ2012 現地レポート プレス説明会編】
-フォトキナでは大手メーカーがプレス向け説明会を開催する。
-前日編では、オリンパスとシグマのプレスイベントを紹介したが、今回は現地で日本人プレス向けに行われた、富士フイルムとソニーの説明会についてレポートしよう。



●富士フイルム
Xシリーズの新製品ミラーレスモデル「X-E1」のプレス向け説明会を開催
・発売以来、Xシリーズはとても好調。
・Xシリーズの2つの大きなテーマ。操作する喜び。必ず一手間かかった、昔ながらの楽しみ。そして、カメラを持つ喜び。
・昨年から「X100」「X10」「X-S1」「X-Pro1」と縦方向に展開。今回の2機種で横方向の展開に。
・X-E1、XF1を発表。
・高級感のあるデザイン。X Trans CMOS搭載。236万有機EL。高速AFを実現。
・Xシリーズで初めて、最初からカラーバリエーションを展開。シルバーはクラシカルでカジュアル。ブラックは生還で被写体に存在を意識させないものに。
・材質は、マグネシウムダイキャスト。XシリーズなのでMade in Japan。
・ダイアルオペレーション。カメラを構えなくても、電源が入っていなくてもできる。
・絞りリング、シャッタースピード、露出補正の3つ。

・X-Pro1と全く同じ、16メガX Trans CMOSを搭載。全く同じ画像が出る。
・6×6ピクセル単位の周期性の低いカラーフィルター配列に。銀塩フィルムがヒントに。
・通常センサーではモアレが出るシーンでもOK。通常はローパスフィルターを使う。
・もともとモアレをとりたいと5-6年前から思っていた。
・高性能なフジノンレンズのために、ローパスを取りたかった。
・レンズの実力を100%引き出せるものに。
・高感度撮影で威力を発揮。すべてのラインにすべての色が乗っているので、シグナルかノイズかの判別も容易。
・ノイズが、フラットな部分かエッジかも判別できるので、適材適所にノイズリダクションができる。
・新開発の236万画素有機EL。コントラスト比も1:5000。両面非球面レンズにより、覗きやすいファインダーに、
・人間が無理なく識別できる視界は25度前後。どのモデルもそれを目標としている。23mmのアイポイント設計に。
・Pro1と同じアイセンサーと、視度調整機構も搭載。
・リニアモーターを2個を搭載。AFアルゴリズムの改良などによりAFを高速化。
。高速化のために、インナーフォーカスを採用。ズームレンズはインナーフォーカスに。フォーカスレンズを貼り合わせの2枚にし、画質を優先。
・Pro1は静止画重視。X-E1では動画を含めた幅広い撮影に。間口が広いのが特徴。

・ハンドグリップとレザーケースはX-E1専用に。
・レザーケースは下側にフラップがあり、ケースを取り外さなくても、バッテリーを交換できる。

・今回、14mmと18-55mmズームを追加。レンズ名のRはリング付きの意味。LMはリニアモーターの略。
・開放F値が明るい。F2.8-4と半紙堀から一絞り明るい。光学設計の工夫により、ほぼ同等サイズに。
・右手はシャッター、左手は操作と分業。デザインは違うが、絞りリングを採用。4段分の効果のある手ぶれ補正搭載。
・6面非球面で単焦点並みの画質に。とてもコンパクトな設計に。
・バックフォーカスは13.3mm。フランジバックは17.7mmに。
・ミラーレスは、ただミラーが撮れてコストダウンできる。それ以上に、小型化できることに魅力を感じる。
・AFはリニアモーター2つで0.1秒、
・手ぶれ補正モーターも2つあり、計4つのモーターを搭載。
・X-Pro1では、35mmを超えると心で、倍率を0.6倍に手動切り替えできる。

・14mmはまだモックアップ。高画質で、最短撮影距離18cmと短い。
・歪曲収差補正をレンズ単体で補正している。
・置きピン撮影ができる、距離目盛りや被写界深度目盛りも。
・解像力もMTFも高い。
・光学補正で歪曲収差を補正しているため、画面周辺部の画質低下もない。
・距離指標は距離リングを手前に引くとできる。
・光学ファインダー表示は、四隅に簡易的な指標に。

・Xシリーズのコンパクト機「XF1」をフォトキナで発表。
・薄型でスタイリッシュなプレミアムデザインを採用した高画質コンパクトカメラに。
・3種のカラーリングを用意。思いにあわせて3つのスタイルから選ぶことができる。
・F1.8の25〜100mm相当4倍ズームを搭載。沈胴式を採用することで、薄型で高画質化を実現。
・レンズシフト式手ぶれ補正機能を採用。約4段分の補正効果を発揮。



●欧州ソニー
日本人プレス向けに欧州市場でのソニーの状況を紹介。欧州各国でもレンズ交換機や高級機は好調に推移
-ソニーが日本人プレス向けに、現地法人による欧州市場での状況を説明。
-写真左がデジタルイメージング(DI) 事業本部 副本部長の勝本徹氏、右がGeneral Manager, Digital Imaging Marketing Europe, Sony Europe Ltd..の欧州駐在員、安田孝司氏。

・コンパクトカメラとカムコーダーは低調。レンズ交換式は好調。
・ミラーレスは15%くらい。今年で17-20%くらいまで拡大すると見ている。
・全世界で23-25%。ヨーロッパは18%で一番低いが、一番ノビしろが大きいともいえる。
・全世界で41%でNo.1。フランスとロシアで1位、ポーランドではシェア50%。
・一眼レフ市場では、ニコンやキヤノンが大きいが、ミラーレスでは約30%。
・ミラーレスが拡大することで、われわれのシェアが拡大する。
・12年3月で2,100ユーロのところが拡大している。高級カメラ分野ではいままでパイはないと思っていたが、そうではない。これからはRX1やα99で史上と取ってゆきたい。

・コンパクト機はスマートフォンの影響もあり、市場は縮小気味。
・トラベルカメラ、高倍率機やプレミアムカメラは拡大。スマートフォンで身代わりになるカメラは縮小。
・RX100は欧州でも好評。この分野をさらに強化してゆきたい。
・価格帯別350-400、400以上は拡大。RX100などを出して、さらにプレミアムコンパクト「RX1」でプレミアムから高級路線を拡張。
・各コーダーのシェアは40-45%。アクションカムなどもソニーとして網羅。

<質疑応答>
Q.フルサイズとAPSの今後の棲み分けについて。
A.完全にわからないが、スマートフォンの登場から写真やビデオを撮る人が飛躍的に増える。趣味として写真をやっている人も増えている。地域を問わず、スマートフォンで代替されているが、最後は画質を求める傾向がでてくる。画質やズーム倍率が高いものが広がってゆき、今後数年してくると、さらにいいものが欲しい人が増える。
高級コンパクト、ミラーレス、一眼にこられる人がいる。一眼レフやトランスルーセントでは35mmフルサイズを求める声が多く、その方向での展開がある。ミラーレスは小さいことがポイント。今日現在はAPS-Cやマイクロフォーサーズなど。ソニーとしては、最高画質を提供したいので、今回はコンパクトを含めてフルフレームをだした。

ヨーロッパはミラーレスが20%弱、理由として、保守的な考え方で、じっくりと吟味する。価格オリエンテッドという部分もある。低価格一眼レフ市場が非常に大きい。写真を趣味としている人もあり、上と下は広がると思っている。

Q.ミラーレスを買っている人は?
A.コンパクトカメラのステップアップ層をターゲットにしたが、ふたを開けてみると、一眼レフのサブカメラやセカンドカメラとして4割くらいが買われている、6割はステップアップの最初のカメラとしてとして購入されている。NEXシリーはこんな状況。NEX-7になると、ほぼ各年齢層とも、均等に購入されている。NEXでビデオクリップやドキュメントを撮っている人もけっこういる。女性比率は2割で一眼と同じくらい。市場では、ソニーが一位で、パナソニックとニコンがミラーレスでシェアを争っている、

Q.コンパクトカメラの市場縮小は?
A.コンパクト機の低価格化。中心が99ユーロ。意外にiPhoneやエクスペリアからのステップアップも多い。

Q.レンズの追加購入について(山田)
A. Aマウントレンズの方が売れている。マウント変換の関係もあるが、Aマウントの方が多い。国別では、日本や中国はレンズをかなりたくさん買っている。ヨーロッパもレンズビジネスが好調。たいぜんひでEマウント非常に大きい。店頭でも品薄。5Nや7シリーズはレンズが売れていっている。

Q.ヨーロッパではトラベルカメラ(高倍率ズームコンパクト)のシェアが高い点について(山田)
A.とても伸びている。欧州では写真店の存在が大きい。彼らとしては、アフタービジネスのあるレンズ交換式をすすめる。高倍率コンパクトに食われてゆくことはないと思っている。国別で大きな差があるが、ポーランドやインドでは、高倍率コンパクト機が伸びている。

Q.動画のプロ用シネマへの広がりは?
A.技術がプロ機とコンシューマー機で近づいている。デジタルイメージングはソニーのコアだが、プロ機やコンシューマー機はもちろん、デバイスやカメラなど総合的な意味になっている。ソニーとしては、これら総合的な広がりに。シネマはPL、放送局は編集用のフォーマットという具合にいろいろとある。

Q.平井氏就任以来、One SONYとして、事業部間の連携を重視しているが、デジタルイメージングでの成果は?
A.まだ、商品そのものではまだ功績がでているかどうかわからないが、民生と業務用ビデオの世界では、少しずつ実績が出てきている、また、スマートフォンのカメラ性能では、カメラグループがカッチリとサポート。世界一の画質のものを作ろうという方向で動いている。

Q.NEX-5RやNEX-6でのカメラダウンロード機能について。
A,今回のカメラダウンロードでは、撮影時の機能や撮る楽しみに集中している。スマートフォンの世界とは違う展開に。SDKは公開しない。

Q.スマートフォンとの連携による楽しさについて
A.プレイメモリーズ、プレイメモリーズオンラインを展開。さらにダウンロード用アプリを追加。NEX5RとNEX6のアプリでは新たな展開も。

Q.プロカメラマンや写真家へのサポートは?
A.キヤノンやニコンのようなサポートはまだできていない。プロカメラマンにカメラを使っていただいてフィードバックをもらっている。ワールドフォトグラフィーも全世界で展開。

Q.プリント文化について
A.ヨーロッパはプリント文化が強い、その文化はそうそう変わるものではない。パノラマ写真のパノラマプリントサービスなどは展開している。プリント文化として、しっかりとしたサポートをしてゆきたい。

Q.4Kテレビなどとの連携は?(山田)
A.今回、静止画をテレビで見る人が急激に増えている。テレビグループとの間では、マッチングができるように、4Kレベルになると、もっと細かくできると思っている。技術的にはできると思う。

Q. NEXのフルサイズ化について
A. NEXならではの、納得できるものができればと思っている。スマートフォンに物理的に入らないセンサーやレンズなどもあり、フルフレームのものを今後も展開してゆきたい。




2012/09/25
(火)

【フォトキナ2012 現地レポート 追記編 その2】
-現地時間の23日に閉幕した、世界最大の写真機材見本市「フォトキナ2012」。
-ケルンメッセの発表によると、今回の「フォトキナ2012」は、最終的に41カ国から1158社が出展。
-166ヵ国から約18万5,000人が来場者が訪れ、前回の2010年より約2%ほど増加したという。
-ビジネスユーザー比率は約48.8%。ドイツ以外からの来場者の割合は42.5%で、アジアが16%、北米が26%、東欧が40%だったという。
-ここでは、現地で取材しながらも、時間と体力の関係で掲載できなかったものをもう少し紹介しよう。



※サーバーの負荷軽減のため、専用ページを作成しました。左のリンクバナーよりご覧ください。



●アルティザン & アーティスト
新デザインのカメラバッグや簡単に長さを変えられるストラップのバリエーションを拡充
-日本のバッグ系メーカー「ARTISAN & ARTIST」。
-職人(ARTISAN)と芸術家(ARTIST)の融合を意味する、いまや希有なデザインから製造まで一環して純国産にこだわる、ジャパンクォリティーを誇る日本メーカーだ。
-バッグを中心としたメーカーだが、以前からカメラバッグやストラップなどカメラ関連アクセサリーにも力を切れており、今回で2回目のフォトキナ出展となる。
-同社は日本国内で展開しているカメラ関連製品をずらりと展示。海外ではMINOXが代理店となることもあり、MINOXブースに並んでの展開をしていた。
-新製品としては、新デザインのカメラバッグを出展。ジッパーでマチが変わるタイプや機材の取り出しが容易な左右非対称のモデルなどを展開。いずれも高い質感と丁寧な縫製による高級感のある製品だった。

-ストラップ関係では、指一本で長さ調節ができる「ACAM-E25」に新色を追加。
-これまでは比較的オーソドックスなカラーバリエーションだけだったが、今回は、ミラーレスなどのカラー展開にあわせて、ファッショナブルなカラーリングのものを追加。
-また、現行の「ACAM-E25」をベースに、三角リングやD環対応のカメラに装着できるようにカメラ取り付け部を変更したタイプを追加。高級機やオールドモデルでも容易に利用できるようになった。
-さらに今回から同社のロゴも変更されているという。

-ブースには、同社のアクセサリー関係製品も多数展示。
-なかでも目を引いたのがブルーのM9用ケース。こちらは特注品で事実上、世界でただ一つしかないもの。同社はこのようなオリジナル品の製造も受注しているという。ちなみにこのケースは13万円(税別)という。
-このほか、既存のリュック製品にカメラ用の中敷きをいれることでカメラバッグとして利用する提案や新タイプのソフトシャッターレリーズなども出展していた。



●SanDisk
高速タイプのエクストリームProシリーズをアピール。秒600MBの超高速なCF互換カード「CFast」も発表
-いまや世界最大の高速メモリーカードメーカーとなった「SanDisk」。
-今回もブースでは、エクストリームProシリーズを中心に、その高速性と信頼性をアピールしていた。
-とくに、高画質な動画記録に対応した100MB/秒の高速CFカードをメインに展示していたのが印象的だった。
-また、同社は今回のフォトキナにあわせて最高600MB/秒の超高速アクセスができる、CFカード互換の「CFast」対応カードを開発発表
-ただ、開発発表のみだったためか、見たところ、ブースでは同カードを展示している感じはなかった。



●Aptina
新開発の裏面照射型1/2.3型18メガCMOSや
120fpsでフルHD対応の1インチ10メガ超高速CMOSを発表
-フォトキナではカメラや写真に関連する実に幅広い分野のメーカーがブースを出展している。
-なかでも、通常は一般ユーザーの目に直接触れることのないイメージセンサー専門メーカーなどのブースもあり、普段見られないようなデバイスを見ることもできる。
-今回は、近年採用するメーカーが増えている「Aptina (アプティナ)」がブースを構えていた。
-このメーカーは、CMOSセンサーで有名なマイクロンからスピンアウトして設立されたメーカーで、日本メーカーのカメラにも採用されるケースが増えているもの。
-今回同社は、新開発の裏面照射型1/2.3型18メガCMOSや120fpsでフルHD対応の1インチ10メガ超高速CMOSを公開していた。

-近年、高機能コンパクト機の主流になっている裏面照射型CMOSだが、同社は今回、新開発の裏面照射型1/2.3型18メガCMOS「AR1820HS」を出展。
-裏面照射型CMOSでは、現在、ソニー製が圧倒的だが、この分野に参入するためのデバイスとして開発された製品だ。
-1/2.3型18メガという現在最高の高密度タイプで、画素ピッチは1.25ミクロン。しかも、14メガのフル画像で秒30フレーム、8メガでは60フレームの超高速出力が可能。1080/120fps出力も可能という。

-さらにミラーレス機や高級コンパクト機向けデバイスとして、超高速出力ができる1インチ10メガ超高速CMOS「AR1011HS」(センサー写真右)を公開していた。
-同社センサーは、某日本国内メーカーの1インチセンサー搭載ミラーレス機に搭載されており、今回はその改良型のものを、今回から他社向けに外販するもの。
-1インチで10メガと、比較的余裕のあるもので、画素ピッチは約3.4ミクロンと画質面でも期待できる。
-このセンサーもきわめて高速性で、全画素の10メガで秒60枚、フルHDで秒120フレームの出力が可能だ。
-1インチというサイズは、画質や感度、光学系サイズなどで、なかなかバランスのとれた選択肢であり、とくに、今後は高級コンパクト機に採用される可能性もありそう。
-ただ、レンズを新規開発しなければいけないので、そう簡単に採用されるわけではないが、この高速性を生かしたモデルが登場すれば、新しい映像の世界が実現できそうだ。

-また、完全な業務用ではあるが、業務用ハイスピードカメラでのデモも展開。
-同社はNHKのスーパーハイビジョン用センサー(センサー写真左)も手がけており、この世界での実績は相当なもの。
-今回ブースでは、先の14メガBSIセンサーを使った4K2Kのハイスピードカメラのデモを展開していた。



●ビクセン
天体自動導入システム「STAR BOOK TEN」に対応した
天体望遠鏡向け赤道儀の新ラインナップ「SXD2」「ADX」「SXP」を展示

-フォトキナは世界最大のカメラ関連イベントであると同時に、多くの天体望遠鏡メーカーが参加するイベントでもある。
-海外大手メーカーの「セレストロン」「ミード」「Sky-Watcher」をはじめ、日本国内では無名の望遠鏡メーカーもブースを構えていた。
-今回、日本のビクセンは、フォトキナでの新製品として赤道儀を展示。最新の天体自動導入システム「STAR BOOK TEN」に対応した中堅赤道儀「SXD2」も展示されていた。

-天文関係では、ハッセルブラッドブースで、アポロ時代に使用された、ハッセルブラッドのスペースカメラも展示されていた。
-実物を見る機会はほどんとないものだけに、星好きにはなかなかに興味深い展示だった。






2012/09/24
(月)
【フォトキナ2012 現地レポート 追記編 その1】
-現地時間の23日に閉幕した、世界最大の写真機材見本市「フォトキナ2012」。
-ここでは、現地で取材しながらも、時間と体力の関係で掲載できなかったものをいくつか紹介しよう。



●シグマ
目的やコンセプトに応じた3種の新プロダクトライン、「C」「A」「S」ラインを展開。レンズの楽しさが伝わるブースに
-前日のプレスイベント編で紹介したように、シグマは今回、目的やコンセプト別に「C」「A」「S」のにつのプロダクトラインで製品を展開してゆくことを発表した。
-といっても、実はブースでは、あまり詳しい紹介はなく、各プロダクトラインの第一弾となる3種をアクリルケース越しに、とくに説明もなく展示してある程度。もっとも、新展開は即座にユーザーに関係するわけではないので、これでも必要十分ともいえるわけだが。
-CラインのAPS機向け標準ズーム「17-70mmF2.8-4 DC MACRO OS HSM」は、大口径のOS付きズームながらも、コンパクトな印象。デザインも、従来の同社製品よりやや洗練された感じだ。
-Art系のAラインでは、35mmフルサイズ対応の高性能大口径レンズ「35mmF1.4 DG HSM」を発表。これまで同社のラインナップで欠けていた部分だけに、期待の一本だ。プレミアムなレンズだけに、外観も高級感があり、見るからによく写りそう。プレスイベントでの画質紹介を見ると、かなり優秀。11月の発売が楽しみだ。
-Sport系のSラインでは、「120-300mmF2.8 DG OS HSM」を発表。現行レンズと同じ光学系ということだが、外観デザインが大幅に変わり、かなり持ちやすく、操作しやすく、デザインされた感じだ。
-といっても、実は私自身、開催前日に会場でもろに転んで左腕を強打し、プレスイベントからいままで、痛みでほとんど左腕が上がらない状態だったので、同レンズを満足にホールドできなかったのが実に残念。個人的にも、作品造りでもっとも多様するレンズの後継機なので、大いに期待したい。

-シグマブースは、体験型構成になっており、レンズマウントごとにエリアが分かれており、各マウントのシグマレンズがズラリとならんでいる。
-来場者は持参した自分のボディーにレンズを装着して、そのまま撮影体験ができるわけだ。
-そのため、週末に訪れた一般ユーザーは、自分の使ってみたいレンズをブース内で楽しんでいるのだが、その姿は、本当に楽しそう。
-ブースはいつも驚きと笑顔があふれており、実に幸福感のあるブースになっていたのが、とても印象的。レンズが人を幸せにすることをリアルに実感したブースだった。



●SAMYANG
APS対応の大口径超広角レンズ「10mmF2.8」やシフト・ティルトが可能な「24mmF3.5」を展開
-手ごろな価格で魅力的なスペックを実現した、近年実力をつけてきている韓国のレンズメーカー「SAMYANG」。
-今回同社は、新製品としてAPS用のMF専用超広角単焦点レンズ「10mmF2.8」を発表。スペックの割にコンパクトで、なかなかに魅力的。比較的近い時期に発売されるという。
-また、日本国内ではあまり見かけない、35mmフルサイズ対応のシフト・ティルト対応の「24mmF3.5」も展示。パッと見た感じでは、某レンズとそっくりだが、シフトとティルトの方向を可変できるようで、価格と性能次第ではけっこう魅力的な存在だ。



●セコニック
タッチパネル操作になったカラー液晶搭載の
高機能メーター「LITEMASTER PRO L-478D」、ストロボ調光対応で国内発売の「L-478DR」も出品

-スマートフォン感覚で使える、タッチパネル式の高機能メーター「PRO L-478D」「同 L-478DR」を発表。
-このモデルは入射光式の定常光・フラッシュ光対応の露出計だ。同社の「デジタルマスターL-758」ほど高機能ではなく、反射型測光はオプションのユニット(5度)を装着しなければならないが、通常使用には十分なもの。
-もちろん、同社モデルの特徴である、カメラ露出プロファイルにも対応。これはチャートを撮影して、カメラの再現域を測定しておき、それにあわせた測光ができるもの。
-また、先だって公開され、同梱されている新ソフト「Data Transfer Software Ver3.0」では、Color Checker (いわゆるマクベスチャート)や同パスポートでもプロファイルが作成できるようになった点も大きな進化点だ。
-本機の最大の特徴は、操作がスマートフォン的な2.7インチのフルタッチパネル式カラー液晶になったところ。測定値もわかりやすく、シャッター速度や絞り、ISO感度などの設定もタッチでおこなえるため、感覚的に操作できる。
-暗所での視認性もよく、とくにスタジオでモデリングライトだけの状態でも楽に測定値が確認できそうだ。
-サイズもコンパクトで携帯もよさそうだが、タッチでの各種設定には、タッチする部分が意外に小さく、レスポンスも若干遅れ気味な印象だったが、このあたりの操作感は発売までの改善される可能性もありそうだ。
-また、日本国内では発売されないモデルとして、フラッシュの調光をワイヤレスで行える「L-478DR」も同時発表。こちらはPocket Wizardに対応しており、本機からワイヤレスで大型ストロボの調光ができるもの。
-ただし、日本では電波法の関係で同規格が利用できないため、国内発売は見送りになったという。



●ノボフレックス
ボディー未発売の「EOS M」用マウント変換アダプターを公開。ラインナップをさらに拡充
-欧州の有名な用品メーカー「ノボフレックス」。最近は日本国内でもマウント変換アダプターメーカーとして知名度が高まりつつあるメーカーだ。
-同社は今回、まだボディーが発売前だというのに、早くも「EOS M」用のマウントアダプターを発表。
-ブースでは、「EOS M」にライカMマウントレンズを装着するアダプターを展示していた。
-また、富士のXマウントやNikon1用など、新マウントに対応したアダプターもラインナップを拡大中。
-また、日本で見かけないものとして、SAMSUNGのNXマウント用アダプターもラインナップしていた。



●KOPIN
「EOS M」用アダプターやシフト撮影対応アダプターを公開
-マウント変換アダプターで有名な「KOPIN」は今回。「EOS M」用マウント変換アダプターやシフト撮影可能なアダプターなどを出品。
-ブースでは「EOS M」用アダプターの現物を紹介していたが、ボディーが発売前ということで撮影は禁止。
-また、新展開としては、よりイメージサークルの大きなレンズを使ることで、シフト撮影ができるアダプターを公開。
-ブースでは、ニコン用レンズを使って富士Xマウントカメラでシフト撮影ができるものと、ハッセルブラッドのレンズでニコンボディーでシフト撮影ができるタイプを公開。
-いずれも、レンズのシフト(平行移動)のみで、被写界深度を可変できるティルトには対応していない。
-だが、シフト時に簡単にネジで動きをロックできる機能を備えており、なかなかに実用的だった。



●セイコーエプソン
より高密度化したXGA対応のEVF用高精細デバイス「ULTIMICRON」を出品
-セイコーエプソンブースでは、EVF用の超高密度・高精細液晶デバイス「ULTIMICRON」を展示。
-欧州では、カメラは覗いて撮るという習慣が根強いせいか、ミラーレス機でも背面ディスプレイ専用機の人気が低めで、同じミラーレスでもEVF搭載機のほうが圧倒的に人気が高い。これは高倍率コンパクト機でも同様だ。
-今回エプソンは、その動きに対応するべく、より高精細で、コスト面でも有利な、0.48型でXGA(1,024×768ドット)表示対応の新EVF用デバイスを発表した。
-同社のデバイスは、現在「オリンパス・OM-D E-M5」に搭載されている。ただ、搭載されているデバイスは先代のSVGA(800×600ドット)の0.47型であり、今回のデバイスは、ほぼ同じサイズでXGA化したものといえる。
-液晶なので、走査型デバイスのようにカメラを振ったときの色ズレ(カラーブレイキング)がなく、明るく、自然なボケ味での表示ができる点が特徴。
-最近では、有機ELディスプレイを採用している機種が増えているが、解像度は高いが、寿命の点では、液晶デバイスの方が有利という。



※帰国しました。

2012/09/23
(日)
【フォトキナ2012 現地レポート 5日目】
-ドイツ・ケルン市で開催中の、世界最大の写真機材見本市「フォトキナ2012」も5日目。
-週末になり、一般来場者でかなりの賑わいを見せ、前半のビジネスショーとしての姿から、一気にコンシューマーショーへと変わったような雰囲気だ。

-来場者も一気に変わった感じで、アマチュアユーザーが新製品や注目製品を一目見ようと、ドイツ国内はもちろん、近隣諸国からも訪れる。
-とくに近年は、女性や子連れでの来場者が目立って増えており、会場のあちらこちらでその姿を見ることができた。

-フォトキナは有償イベントで、来場者はチケットを購入して入場する必要がある。
-しかも、前半のビジネスディは、1日パスが49ユーロ(約5,000円)、2日間用で75ユーロ、全期間共通では120ユーロもする。
-ただし、コンシューマーユーザー向けに週末限定のウィークエンドパスが用意されている。こちらは、1日で22ユーロと格安になる。さらに、ファミリーパスもあり、こちらは47ユーロとお買い得。
-そのため、週末になると、一般の写真愛好者が一気に増えるわけだ。

-また、会場内では多数の写真展が開催されており、来場者はカメラ機材と同時に、多くの作品展を見ることもできる。
-今回、昨年の東日本大震災をテーマにしたJPSの「生きる」が会場で開催され、多くの来場者が訪れていた。。
-ライカブース内でのギャラリーでは、荒木経惟氏の作品が多数展示されていた。

-プロ機材や小さな用品メーカーなど、ビジネス系が中心のブースは土曜日が最終日という感じで、夕方には出展者がいないケースもあるほど。
-中国や韓国系のメーカーの用品メーカーの一部は、土曜日から出展した製品の投げ売りが始まるのも、フォトキナの恒例。ケルンメッセ的にはNGなのだが、そこは多少のお目こぼしがあるのだおる。
-私も今回は、15ユーロで販売されいたマウントアダプターを購入。日本国内でも最近では入手できるものではあるが、あまりに格安なので、思わず、何個か購入してしまった。
-後から気がついたのだが、今回のフォトキナは前回と違って、中国・韓国・台湾系の来場者が大幅に減っているようだ。出展者もや減ったような印象だ。これは上海で大きなカメラショーが本格開催されるようになったことも起因していると思うが、前回などはかなり多かったのに、今回はあまり見かけることがなかった。

-フォトキナの開催は、明日23日が最終日になるが、事実上は22日の土曜日が最終日という感じになる。
-私自身も、心残りだが、本日22日で取材を終え、帰国する。
-次回の「フォトキナ2014」は、2014年9月16〜21日に開催されるという。




●ナナオ
キャリブレーションモニター
新「ColorEdge」シリーズの27インチタイプ「CG276」「CX270」現地発表。4K2Kモニターも出展

-今夏に発表された、新キャリブレーションモニター「ColorEdge」シリーズ。
-今回のフォトキナでは、従来の24インチタイプに加え、より表示解像度の高い27インチタイプ2種を追加発表。
-いずれも、測定器内蔵タイプで、「CG276」は内蔵測色機によるセルフキャリブレーションが可能。
-「CX270」では、外部測色機で測定したものを基準に、そこからの変化を補正するもの。
-表示解像度は、27インチ化にともなって、2,560×1,440ピクセルに拡大され、より作業が容易になった。
-機能的には既発表の新「CG」「CX」シリーズのものを踏襲しており、27インチ版を待っていたユーザーには大きな朗報だ。
-現時点では、海外発表だが、年内には日本国内でも発表されるようだ。

-また、ブースで大人気だったのが、同社の4K2Kモニター。
-この製品は本来写真用途ではなく、医療や航空管制などの業務用途のもの。
-パネルも、同社とパネルメーカーの共同開発という独自のものを採用。
-そのため、価格帯は200〜250万円とすごぶる高価。また、グラフィック用ではないため、ハードウエアキャリブレーションやAdobeRGB表示には対応していないという。
-とはいえ、その表現力は圧倒的なもので、この細密で立体感あふれる映像を見てしまうと、普通のモニターには戻れない世界がある。
-4K2KのPCモニターは、すぐに一般化するわけではないが、大型の4K2Kテレビの再現力とも異なる世界。今後、写真を鑑賞するための表示装置として、かなりの可能性を秘めていることを、あらためて実感するに十分な製品だった。



●ケンコー・トキナー
新交換レンズ「SD12-28mmF4 (IF) DX」や「SD70-200mmF4 (IF) FX」など多数の新製品を公開
-多種多様な製品を扱うケンコー・トキナー。今回もさまざまな分野で新製品を発表していた。
-トキナーブランドの交換レンズとして、APS機用超広角レンズ「SD12-28mmF4 (IF) DX」と、35mmフルサイズ対応で同社初の光学手ぶれ補正機能を搭載した「SD70-200mmF4 (IF) FX」を発表。
-いずれのレンズのなかなか高品位で好感が持てるもの。F4通しのため、コンパクトで携帯性に優れている点もいい。
-なかでも「SD70-200mmF4 (IF) FX」は、手持ち撮影も容易なコンパクトな手ぶれ補正対応レンズに仕上がっている。残念ながら、重さはライバルの「EF70-200mmF4 L IS」よりやや重いようだが、十分許容範囲だった。
-また、同社初のPLマウントレンズ「16-28 CINEMA Lens」を公開。こちらは、AT-Xのフルサイズ対応超広角ズーム「16-28mm」がベース。明るさは透過率を考慮したTナンバーで3.0となる.。価格は60万円前後だが、PLマウントの世界では、大口径で35mmフルサイズ対応の超広角レンズがほとんどないことから、ムービー関係者からそんな値段でいいのか?」と聞かれるという。

-超薄型のくさび形光学ガラスを2枚貼り合わせた、高精度なハーフNDフィルターを参考出品。
-かなり製造が難しそうな製品だが、グラデーションの滑らかさは相当なもの。
-また、樹脂製のおのよりも、グレーの均一性にも優れ、高精度なため解像度低下も十分に抑えられるようだ。
-現在、製品化に向けて検討しており、価格も未定というが、どうやらバリアブルNDクラスの価格帯になりそうだ。

-ケンコー・トキナーグループのバッグブランド「AOSTA」は別ブースでの展開。
-同ブランド製品は現在もあるが、今回、より本格派指向の製品へと進化するという。
-その第一弾として、大口径望遠レンズを装着したまま収納できる大型バッグなどを出品。
-さらに、メッセンジャーバッグスタイルで初となる防水型バッグを出品。
-こちらは底面まで一体型でバッグを作成することで、卓越した防水性を実現。ふたの部分は内側のカバーの口をぐるぐる丸めることで、防水性を高めているという。
-このようなバッグであれば、雨天や水辺での撮影でも安心して使える上、湿った場所に置くこともできるので安心感がある。
-現在開発中だが、近いタイミングで商品化されるという。



●SAMSUNG
21倍ズームを搭載した4G/3G対応スマートフォン「GALAXY Camera」やWiFI搭載ミラーレス「NX」シリーズを出品
-今回のフォトキナでの注目は、スマートフォンとカメラの連携。
-それを真っ先に先取りし、商品化したのが韓国SAMSUNGの「GALAXY Camera」だ。
-本機は4.8型の超大型液晶搭載スマートフォンに、光学21倍ズーム機を一体化したもの。
-デザイン的には、片側から見ると、普通のコンパクト機で、もう一方は、まさにスマートフォンという感じだ。
-しかも、通信回線には、通常のスマートフォンと同じ4Gや3G回線が使えるため、どこにいても、撮影した画像を通信でアップロードできるという点が大きな魅力だ。
-会場での人気もなかなか。普段スマートフォンを使っている層の来場者が楽しそうに見ているのが、とても新鮮だった。

-ブースで実機を手にしてみると、液晶が4.8型もあることから、実はかなり巨大な印象。スマートフォンというよりも、小型タブレットに近い感覚すらある。私が常に持ち歩いている「ソニー・RX100」と比較すると、その大きさの違いは一目瞭然だろう。
-とはいえ、意外に薄型なので、大きめのポケットに収納することもできないことはないレベルだ。
-さすがに4.8型液晶は圧巻。解像度も高く、まさにカメラのファインダーというよりも、現物をそのまま見ているような感覚。これになれると、普通のカメラの液晶が、本当に小さく感じられてしまう。
-感心するのは、GUI。カメラの設定画面にすると、レンズのようなデザインの画面になり、タッチ操作で、感度やシャッター速度などが簡単に設定できる。しかも、画面デザインがオシャレで、カメラ好きをニヤリとさせる感じだ。
-さらに、SNSなどへの転送も容易。もちろん、普段はAndroid携帯電話として使えるのだから、便利さという点ではかなりのものだ。
-レンズも23mm相当の超広角からの21倍ズームなので、通常のシーンなら、ほぼこれ一つでフルにカバーできる。
-ただ、やはりその一方で、巨大なサイズややや重めの重量、電池消耗への不安といった懸念材料もある。
-実際には、使ってみなければわからないが、本当にカメラと高倍率ズームを一体化することが正解なのか、試してみたい感じもした。

-APSサイズで2000万画素のCMOSセンサーを搭載した、同社のミラーレス機「NXシリーズ」。
-現在3機種あるが、いずれもWiFi機能を搭載しており、スマートフォンやタブレット、デジタル家電との連携を図っている点が大きな特徴だ。
-デザイン的に、日本メーカーのミラーレス機に似通っている点は気になるが、機能面や操作性はなかなかよく考えられている。
-以前使ったNXの20メガ機では、解像度も高く、かなりシャープな画像が得られたこともあり、今回のWiFi機能の搭載で、よりSAMSUNGらしい、コンバージェンスな独自路線になった感じだ。



※これよりケルンを出発し、帰国の途につきます。
まだ現地で編集できず、掲載できなかった話題もあり、帰国後、アップデートする予定です。


201209/22
(土)
【フォトキナ2012 現地レポート 4日目】
-ドイツ・ケルン市で開催中の、世界最大の写真機材見本市「フォトキナ2012」も4日目。
-すでに、4日目は多くのメーカーでビジネス系Meetingなども終わり、トレードショーとしてのフォトキナは、一段落。
-そのため、会場内は2日目や3日目のような混雑はなく、ブースによっては閑散とした印象を受けるところもあった。
-ケルンは緯度でいうと、北海道と同じくらい。そのためか、現地は結構肌寒く、昨日は天候は優れなかったこともあり、気温は日中でも15度前後、最低気温は8度くらいという感じ。だが、今回は開催期間がやや早かったこともあって、例年のように紅葉の時期と重なることはなく、やや残念。
-よくよく来場者を見ると、新製品をぶら下げている人を結構見かける。今日は、発売されたばかりの「D600」をさりげなく下げて「EOS M」をチェックしている姿をみることができた。出展関係者かもしれないが、「D600」はただでさえ展示機が少なく、大混雑状態であることを考えると、発売当日にニコンファンの可能性も高そう・・・。

-フォトキナは、本来、トレードショーであり、商談の場。そのため、数多くの新製品が出品されるわけだ。
-逆にいえば、既発売の製品は展示されていても、あまり人気がないケースもある。
-たとえば、キヤノンブースなどでは、「EOS 6D」や「EOS M」は大人気で実機に触れるのも大変だが、その一方、ハイエンドの「EOS-1D X」などは、ずらりと実機が用意されていても、触る人はごくわずかといった状況になるわけだ。
-ただ、近年のフォトキナは週末にかけての後半に、入場料が比較的安い一般向けチケットを用意し、いわゆるカメラ愛好者のためのコンシューマーショーとしての展開も始めている。
-週末の5日目や6日目には、一般アマチュアが会場を埋め尽くすことになる。



●富士フイルム
「X-E1」「X-Pro1」などXシリーズ用新レンズ5種を一挙公開。写真表示用4K2Kディスプレイも開発発表
-今回のフォトキナでの注目ミラーレスモデルとなった「X-E1」。
-会場での人気も高く、4日目になっても、結構多くの来場者がブースを訪れている。

-今回会場では、これまでロードマップ上で一部公開されていた、2013年発売予定の新レンズ5本を展示。
-いずれも、モックアップという感じではなく、製品化がごく近いタイミングであるような仕上がりだ。
-展示されたレンズは、パンケーキレンズ「27mmF2.8」、大口径広角レンズ「23mmF1.4」、大口径中望遠レンズ「56mmF1.4」、超広角ズーム「10-24mmF4 OIS」、望遠ズーム「55-200mmF3.5-4.8 OIS」の5種。
-現行の単焦点レンズ3種と「X-E1」と同時発売の「FUJINON XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」、超広角レンズ「XF14mmF2.8 R」を加えると、計10本のラインナップが揃うことになる。
-単焦点系は大口径で絞りリング付きの大口径レンズがずらりとラインナップされ、ズームはすべてOIS付きという、よく整理され、考えられた賢いレンズシステムになっており、意外なほど早期に、実践的なレンズシステムになりそうだ。
-今回の「X-E1」と5本の新レンズが出そろえば、センサーの実力がきわめて高いが、ボディーの実力不足とレンズラインナップが一挙に解決されるため、一本立ちできる本格的なミラーレスシステムになりそうだ。

-また、同ブースでは、「Photographic 4K2K Display」として、同社が開発中の高品位・高精細ディスプレイを参考展示していた。
-これは、4K2Kパネルを使ったもので、サイズ表記はないが、おそらく32インチクラスのもの。
-暗部の階調を保ったまま黒を締めるため、バックライトの部分制御機能を搭載。つまり、画像を解析し、明るい部分と暗い部分で、エリアごとにバックライトの明るさを制御することで、より高いコントラストと階調性を実現するわけだ。
-最近の高品位テレビに搭載されている技術であり、それとの技術的な違いは明確ではないが、表示された映像を見る限り、かなりの高品位。
-4K2Kの高精細に加え、階調や色再現性もとてもよく、画面の均一性(ユニフォミティ)も良好。まさに写真表示用にピッタリの高品位ディスプレイに仕上がっている。
-開発発表であり、具体的な製品化の予定はないようだが、4K2Kパネルの進化に伴い、さらに高品位になり、手の届く価格帯で登場すれば、新しい写真の楽しみ方、鑑賞の仕方を提供することができる製品へと進化しそうな印象だ。

-ブースのXシリーズコーナーでは、X-Pro1やX-E1を支える技術についても紹介。
-X-Pro1の内部構造を見ると、ハイブリッドファインダーユニットがどれだけ巨大で、その結果「X-Pro1」のサイズになったのか、一目で理解できる展示もあった。
-また、X-TransCMOSやレンズ駆動モーター、レンズコーティング、ガラス素材や非球面レンズなどについて細かく紹介されていたのが印象的。

-今回、フォトキナ発表された「XF1」の説明エリアでは、ボディーカラーの人気投票も行われていた。
-これを見ると、まず、男性と女性でかなりの差があることがよくわかる。
-さらに、おそらく、日本で同じアンケートをすると、違う結果になるだろうことも容易に想像がつくような感じもした。
-もちろんこれは、ケーススタディーであり、これらのものが発売されるわけではない。
-個人的には、投票でも人気の高い明るめのイエロー(No.12)やシックで革の素材感を楽しめるブラウン系(No.3)あたりがラインナップに加わると、より魅力的かな?と思った。
-なお、XF1は、3種のボディー色で、それぞれにカタログが制作されているのは、ちょっとビックリ。確かに、同じボディーでも、その印象がかなり異なるのだが、おそらく、デジタルカメラ史上、外観色別にカタログを制作したことはほとんどなく、同社の「XF1」への意気込みが伝わってくる展開だ。



●ペンタックスリコーイメージング
現行機を大幅に進化させた「PENTAX K-5II」や「PENTAX Q10」などを出品。リコーは全周カメラも参考展示
^ペンタックスリコーイメージングは、今回、リコーブランドでの新機種はなく、ペンタックスブランドでの一眼系メインの出展になった。
-主力となる「K-5II」「Q10」ともに、先代機種の改良機であり、外観上、大きく変わった点は少ない。
-ただ、ブースで実機に触れてみると、「K-5II」はAFが進化していることが体感できる。暗いシーンでの測距性能も向上しているようだが、ブースでは試しようがないのだが、ちょっと触れた感じでも軽快感が増している印象だ。
-「Q10」もAFが進化しているようで、以前よりもすっと合焦する感じだ。

-また、開発発表というより技術発表に近いものとして、上下を含めた全方向360度の範囲を、ワンショットで撮影できる全周カメラを出品。
-このモデルは左右両側に全周魚眼レンズがあり、その画像を合成して、360度全方向の画像をワンショットで撮影できるという。
-実際に撮影したものは、タッチパネル式液晶を使って表示していたが、指先で画像を動かすだけで、どんな方向の視点にも即座に移動でき、結構楽しめる。
-全周撮影システムは、これまでも、魚眼レンズで両側2枚を撮影して合成するものや、独自形状のミラーに写った画像を処理して作成するものなどが市販されている。
-だが、このカメラなら、それがワンショットで可能なため、動きのあるシーンでも撮影でき、必要十分な解像度も得られるわけだ。
-といっても、出展されたものはひとつのケーススタディーで、そのまま製品化されるわけではないという。
-できれば、より小型で、より簡単に、動画まで対応した製品が、手の届く価格帯で登場したら、画期的だと思うのだが、それまでには少し時間がかかりそうだ。
-このほか、日本国内未発表の大判インクジェットプリンターもブースで展示されており、645Dで撮影した画像をプリントしていた。



●カシオ
全焦点マクロ機能を搭載。GUIを一新した
EXILIMシリーズのフラッグシップモデル「EX-ZR1000」を発表。EXILIM 10周年モデルも公開

-カシオは今回、EXILIMシリーズのフラッグシップとなる「EX-ZR1000」を発表。
-このモデルは新エンジン「HS3」を搭載した、1/2.3型16メガCMOS搭載の12.5倍ズーム機だ。
-欧州での実売価格は、299ユーロ前後(約3万円)と、まずまずリーズナブルな設定となっている。もちろん、近いタイミングで日本国内でも発表されるようだが、価格・発表時期ともに未定という。
-さらに、レンズ周囲に操作リングを設けることで、操作性をわかりやすく向上させている。

-内部エンジンは今回、新世代の「HS3」を搭載。それに伴い、GUIを一新。ダイアル感覚のアナログ的で、滑らかな動きの操作画面を実現している。
-GUIが従来のEXILIMと全く異なるため、最初はとまどうが、少し触っているだけで慣れ、より感覚的に使えるようになる感じだ。

-さらに、新機能として、マクロ撮影ながらも背景までピントのあった撮影ができる「All-in-Foucs Macro」機能を新搭載。これはベストショットモードの一つとして搭載されるものだが、実に魅力的なもの。
-ブースではミニチュアを使ったジオラマがあり、至近距離にバスのミニチュアを置いて、背景までピントがあったマクロ撮影ができるデモを展開。
-この機能、仕組みとしては、ピント位置を変えながらカメラが高速連写を行い、ピントのあった場所の画像をカメラ内で合成するもの。この一連の動作を、シャッターを押すだけで、カメラ内で超高速に処理できるのだからスゴイ。
-実際に撮影していると、常識ではあり得ないような、マクロでも画面全部にピントのあった写真が得られ、相当におもしろいカットが撮れそうな感じだ。

-またブースには、EXILIMシリーズ10周年を記念した、「QV-10」からのカシオの歴史がわかるコーナーが設けられており、「QV-10」の実機から、歴代のエポックメイキングなEXILIMモデルを一堂に展示。
-さらに、EXILIM 10周年記念となる「EX-ZR1000」をベースにした記念セットも展示されていた。


2012/09/21
(金)
【フォトキナ2012 現地レポート 3日目】
-ドイツ・ケルン市で開催中の、世界最大の写真機材見本市「フォトキナ2012」が3日目を迎えた。
-開催3日目も、2日目と同様に、会場はかなり混み合っており、話題の新製品に触れるにも、10分待ちはざらという感じになっている。
-このフォトキナはいわゆる見本市であり、本来は商談の場。そのため、ビジネスユーザーは初日から3日目までで、大半の商談を終え、帰国する人も多いこともあり、ビジネスユーザーにとっては、すでに最終日という感じなのだ。

-フォトキナの開催時間は10時から18時までと比較的長いのだが、終了後は来場者と出展者が一斉に帰ることになるため、駅に向かう道は日本の通勤ラッシュ並みの混み合い方になる。
-フォトキナは毎回、このライン川沿いのケルンメッセで開催されるわけだが、前回から会場の位置が変わり、ライン川からやや離れた建物になった。もっとも数年前にライン川が氾濫し、川沿いの建物が浸水したこともあって、確実に開催できる場所に移動した感じだ。
-だが、ライン川を渡ったケルン市街や中央駅からは、会場がかなり離れてしまい、徒歩での移動が厳しくなったこともあり、近隣のケルンドイツ駅が混み合うようになったようだ。

-会場は実に風光明媚な場所で、ケルンの象徴であり世界遺産でもあるケルンドーム(大聖堂)も、ライン川沿いに望むことができる。
-この時期は、閉会が日没に近い時間帯になることもあり、周囲で風景を撮っている来場者や出展者も多い。

-会場では世界各国からプレスが取材に訪れるわけだが、今回はテレビ東京の取材クルーが主要ブースを回って、フォトキナを取材している姿が見られた。
-パナソニックブースを訪れたときには、ちょうどBU(ビジネスユニット)長の北尾氏が取材を受けていた。
-「未来世紀 ジパング」という番組で10月下旬に放送されるという。



●ライカ
全ラインナップを一新。「ライカ M」「ライカ M-E」「ライカ S」「ライカ X2」などを一堂に展示
-ドイツの名門であり、フルラインナップを誇るドイツ唯一のカメラメーカーである「ライカカメラ」。
-今回同社は、ホール1すべてを使ってアピール。単一ブースでは最大の展示スペースに、カメラ展示スペースと巨大なフォトギャラリーを構築。
-写真文化を長年にわたって牽引してきたという自負が感じられるブース展開がとても印象的だ。

-今回のメインは、やはりM型ライカ初のライブビュー機能搭載機「ライカ M」。
-同機は、新開発の24メガCMOSセンサーを搭載したモデルであり、ライブビューはもちろん、1080のフルHD動画まで撮影できる、Mマウント用のマニュアルフォーカス専用機だ。
-待望のニューモデルであり、地元ドイツの誇りであるモデルだけに、ブースでの人気はかなりのもの。それなりの台数が用意されていることもあって、長蛇の列になることはないが、それでも手にすると数十分かけて、説明員と話ししながら、じっくりと「ライカ M」を堪能している姿がみられた。
-ここドイツでは、カメラ系量販店がないわけではないが、比較的規模の小さなカメラ店が、カメラを丁寧に説明しながら販売するという文化がいまもある。そのため、購入者もじっくりと、納得が行くまで説明を聞き、やがて購入するというのが、一眼レフなどを高級機を購入するときのプロセス。それがフォトキナブースでも展開されているわけだ。

-今回の「ライカ M」は、外観上はこれまでのデジタル系M型から大きく変化している点はない。
-まず、ネーミングは、全ラインナップで一新。本機も本来は「M10」と呼ばれるモデルになると思うが、今回のモデルから、普遍のシリーズネームとして「ライカ M」という名称になり、その代わりに、モデル名を別途用意して、そちらでどの年代の機種なのかを判別するという形になった。
-つまり、「ポルシェ・911」は、「911」というシリーズネームのまま今日まで進化しているわけだが、歴代で「901」「930」「964」「993」「996」「997」「991」とモデル名が変遷していったのと同じ考え方という。
-外観上、もっとも目立つのはブライトフレームがLED照明になったため、採光窓がなくなった点。
-また、EVFなどを装着するため、アクセサリシューの後部に信号用接点が追加された。
-実機を手にしてみると、ずっしりとした重量感があり、ライブビューになっても、MはMのままであることを感じる。
-もっとも、M型の背面液晶でライブビュー表示されているところは、まだ違和感もあるが、すぐに慣れるのだろう。
-とはいえ、パッと見た感じは、まごうことなく、M型ライカであり、その風格や品格は、この時代になっても変わることはない。

-さらに、きわめて広い拡張を備えた点も「ライカ M」の特徴。
-とくに、純正のRレンズ用マウント変換アダプターを介して、R用ズームレンズを装着し、別売のEVFを付け、マルチファンクションのグリップをつけた姿は、これまでのM型とは一線を画すもの。
-実際に、このセットでEVFを覗いて操作してみると、超重いが結構きちんとホールディングができる。とはいえ、M型ライカにズームレンズが装着できること自体が画期的なこと。もしEVF自動切り替えのアイセンサー一体型になったら、ごく普通に使えてしまう感じだ。
-また、当たり前だが、ライブビューを使えば、接写もパララックスなしにできるうえ、今回はフルHD動画にも対応しているため、Mマウントの往年の銘レンズを使って、動画撮影ができる点も、スゴイ。
-もちろん、ピントはフルマニュアル。だが、ピーキング機能が前面のボタン一つで使え、同じボタンをさらに押すと、画像が拡大表示されるので、フォーカスで困ることは意外に少なそう。ピーキング機能を使えば、全画面表示のままでもピントが確認できるので、機動性も損なわれない。
-もっとも、ライブビューが搭載されたことで、M型の存在意義も変わってくるわけで、一つ間違えると、マニュアルフォーカス専用の不便なミラーレスになってしまうという危うさも秘めている。
-もちろん、その点はライカ自身が一番よくわかっていることだが、今後、「ライカ M」がどのように進化してゆくのか、とても楽しみだ。

-また、従来のCCDセンサーを搭載したエントリー(?)モデル「ライカ M-E」も同時発表。こちらはライブビュー機能などはなく、いわば、Mデジタルの廉価版といった感じ。ボディー色もこの一色しか用意されない。
-現地での価格は、「ライカ M」が6200ユーロ、「M-E」は4600ユーロ。日本国内での価格は未定という。

-ミディアムフォーマット機「ライカ S」も進化。名称は「ライカ S2」から、「ライカ S」に変更された。
-今回のSでは、イメージセンサーの画素数などは同じだが、実効感度が向上し、高感度性能がアップ。
-さらに、AFも高速化されている。AFの高速化は、実機を手にすると、すぐにわかるレベルの進化で、とくに暗い場所でのAFは格段の違いがあるように感じられた。
-また、個性的だったGUI(液晶メニュー)も、「ライカ M」と同じような、コンベンショナルなタイプに変更された。正直なところ、新GUIと液晶周辺の操作部の整合性はあまりなくなってしまったが、使い勝手は向上している感じだ。
-また、新レンズも追加。超広角の「スーパー・エルマーS f3.5/24mm ASPH.」や、Sシリーズ初のズームレンズ「バリオ・エルマーS f3.5-5.6/30-90mm ASPH. 」、ティルト・シフト対応の「TS・アポ・エルマーS f5.6/120mm ASPH.」などを発表された。
-ブースでは、30-90mmズームを見ることができたが、サイズ的には従来の70mmに近いレベルで、意外にコンパクト。重さはそれなりにあるが、Sボディーに装着したときのバランスはよさそうだ。

-APSセンサーを他社に先駆けて搭載したコンパクト機「ライカ X」シリーズも、昨年「X2」へと進化。
-今回はさらに、独特なカラーリングの「ライカX2 ポール・スミスエディション」が追加された。
-このモデルは、デザイナーのポールスミス氏が手がけたもので、まさに同氏独特の色遣いが魅力。
-はじめて見たときな、「X2」の端正さが損なわれた感じがしたが、少したつと、これもいいなぁ〜という感じに見えてくるから不思議なもの。
-撮影時には目立ちすぎるが、(似合う似合わないは別として)持ち歩くにはファッショナブルでいい感じだ。
-実はボディー本体には、ポールスミス氏にサインはないが、付属ケースの底面とストラップには、同氏のサインがきちんと刻印されていた。

-ライカ X2をベースに、自分好みのカラーリングが選べる「ライカ アラカルト」も展開。
-こちらは短冊状の見本帳が用意されており、そのなかから、ボディー表面の貼り革素材を洗濯することができるもの。
-イエローやグリーンのような派手なものから、革の素材感を生かしたシックなものまで幅広く用意されており、なかなか魅力的。また、同素材のストラップやケースも用意されており、組み合わせも選べるため、より好みのコーディネイトがしやすい。
-もちろん、日本国内でも展開。注文生産で、納期はそれなりかかるので、欲しい人は早めにオーダーすることをオススメする。

-ライカの小型高級コンパクトカメラ「ライカ D-LUX6」も発表。
-このモデルは、「パナソニック・LUMIX LX7」の姉妹機になる、F1.4の大口径レンズを搭載したもの。
-だが、今回のD-LUX6では、外装デザインの細部にこだわって、ボディー外装部品はオリジナル。
-ボディーのエッジ部分の処理も異なり、ダイアルのローレンともライカならではのデザインになっているなど、なかなど高級感のあるモデルに仕上がっている。

-ライカの高倍率ズームラインの「V-LUX4」も同時発表。
-こちらは、「パナソニック・LUMIX FZ200」の姉妹機になる、25〜600mm相当で全域F2.8を実現した、大口径超高倍率ズーム機。
-こちらも外観デザインの細部が異なり、レンズ周辺部のデザインが独自のものになっている。
-デザインの変更箇所は少なめだが、見た感じは、より精悍な印象。今回取材用に使っている「FZ200」と比べると、「V-LUX4」のほうが、やや高級っぽい印象に見えた。




●オリンパス
新PENシリーズ「PEN Lite E-PL5」「PEN mini E-PM2」「STYLYS XZ-2」
ボディーキャップレンズ、防塵防滴60mmマクロなど多数の新製品を一挙発表

-オリンパスは今回のフォトキナにあわせて、PENシリーズ2機種とレンズを発表。
-さらに、コンパクトカメラのブランドネームを「STYLUS」に統一し、その第一弾として高級コンパクト機「STYLUS XZ-2」を現地で発表した。

-新PENシリーズとして「PEN Lite E-PL5」「PEN mini E-PM2」の2機種を発表。
-これらのモデルは、PENシリーズらしい小型軽量で薄型のボディーに、「OM-D E-M5」に搭載された4/3型1,600万画素MOSセンサーを搭載したもの。つまり、PENでOM-Dの画質を実現したわけだ。
-「PEN Lite E-PL5」では、可動式液晶を搭載。ディスプレイが最大170度回転することで、自分撮りが容易にできる点が大きな特徴だ。
-さらに、秒8コマの高速連写を実現(手ぶれ補正OFF時)。クラス最速レベルの「FAST AF」との組み合わせにより、動きに強いカメラに仕上がっている。
-「PEN mini E-PM2」は、PEN miniシリーズの2世代目にあたるわけだが、今回新たにタッチ式液晶を搭載することで、撮りたい部分にタッチするだけでAF撮影ができるなど、操作も容易になった点がポイント。しかも、このサイズで「E-M5」と同じ画質で、秒8コマの高速連写も可能という、小さな実力派モデルだ。
-両機ともすでに日本国内でも発表されているが、E-M5の画質をPENサイズで楽しめる、発売が楽しみなモデルといえる。

-実は会場での日本のプレス関係者のなかで、きわめて好評なのが、ボディーキャップレンズ。15mmF8の3枚玉というシンプルなものだが、実用性が高く、ちょっとマニアックな感じもいい。
-もちろん、AFはできずマニュアルフォーカスだが、センサー手ぶれは働くので、F8であれば、ほぼパンフォーカスでの撮影が可能。しかも、マニュアルフォーカスで近距離撮影もできるので安心だ。
-ボディーに装着すると、まさに中央に穴の開いたボディーキャップという感じで、なかなか愛らしい感じで好感が持てる。
-レンズ系では、注目の「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mmF2.8 Macro」を発表。写真で見るとやや大きく目ルヶ、細身で軽量な携帯性にも優れたレンズに仕上がっている。
-35mm判換算で120mm相当の望遠マクロになり、マクロ時のワーキングディスタンスも必要十分。もちろん、望遠レンズとしても利用可能。実際に撮影した印象もよく、きわめて切れ味の鋭いマクロらしい描写だが、ボケもさほどクセがなく自然な万能レンズといった印象だ。
-このほかにもPENシリーズ用新アクセサリーも用意され、より楽しめるシステムへと進化している印象だ。

-今回、コンパクトカメラのブランド名を全世界で「STYLUS」に統一。
-その第一弾として登場したのが、XZシリーズの第二弾となる「XZ-2」となる。
-先代モデルもコンパクトで大口径なレンズを搭載したモデルとして人気を博したが、今回はさらにそれを進化させたモデルに仕上がっている印象。
-先代では機能が限定されていたレンズ周辺の操作リングは、今回、カスタマイズ可能なコントロールリングへと進化。しかも、クリックのあり・なしをレバー一つで切り替えられる点もユニークだ。
-そして、個人的には、背面ディスプレイが有機ELから普通の液晶パネルになったのが注目点。先代の有機ELは視野角依存が大きく、正面から見るときれいなのだが、少しでも斜め方向になると、色が付く傾向があり、使い勝手は今ひとつだった。だが、今回は液晶パネルを採用することで、視野角がきわめて広くなり、画像の変化も抑えられているので、とても安心感がある。
-正直なところ、最近はより大型センサーで、よりコンパクトモデルも登場しており、1/1.7型センサー搭載機としては、外観がやや大柄な点は残念。だが、薄型なので携帯性は意外に良好。操作性やディスプレイも進化しており、より魅力的になった感じだ。



●タムロン
定番マクロレンズ「SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F004)」、
超音波モーター搭載大口径望遠ズーム「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD(Model A009)」を出品
-タムロンは今回、35mmフルサイズ対応レンズ2種を開発発表。
-「SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F004)」は、同社の銘レンズとして名高い90mmマクロの最新モデル。同社独自の光学手ぶれ補正機構「VC」とインナーフォーカス式AFを搭載し、手ぶれによく、使い勝手のいいレンズにしあがっている。
-日本では開発発表ということで、ブースでは展示のみかと思いきや、一般来場者でも、ごく普通に触れて、体験できる状態になっていた。
-実物を見てみると、MFで使いことの多いマクロレンズらしく、フォーカスリングの幅が広く、MFも容易。
-VC機能も強力で、ファインダー像が安定しているため、AFとMFもしやすい。感覚的には手持ちでも、三脚に載せているような安定感が体感できる。
-2012年の年内発売ということだが、すぐに出荷してもおかしくないレベルの仕上がりという感じで、発売が期待される新世代マクロレンズという印象だ。

-もう一本の新レンズである大口径望遠ズーム「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD(Model A009)」も一般来場者がカウンターで触れる状態。
-手にすると、さすがにズッシリとくるが、ホールド時のバランスは比較的よく、安定感はある。
-さらに、90mmマクロ同等、同社独自の手ぶれ補正機能「VC」独特の、三脚に載せたような、カッチリとした手ぶれ補正の働き方は大きな魅力だ。
-やや残念なのは、最短撮影距離が、同社先代モデルの0.95mから1.3mへと伸びてしまったところだろう。
-正直なところ、極端にコンパクトでも軽量でもないが、画質や操作性はかなりシッカリと作り込まれたレンズといった印象だ。
-こちらも年内発売予定で、展示機の完成度からして、年内発売は確実という印象だった。




201209/20
(木)
【フォトキナ2012 現地レポート 2日目編】
-ドイツ・ケルン市で開催される、世界最大の写真機材見本市「フォトキナ2012」が2日目を迎えた。
-初日はさほど混み合った感じはしなかったが、2日目は一転。会場はかなりの賑わいを見せた。
-注目の新製品を発表したブースは、かなり混み合っており、やはりインターネットなどで初日の情報を入手した来場者が数多く訪れている感じだ。



●パナソニック
LUMIX Gシリーズの最高級モデル「GH3」を発表。新レンズ「42.5mmF1.2」「150mmF2.8」を参考出品
-元祖ミラーレス一眼「LUMIX G」シリーズ。前々回のフォトキナでは初号機の「G1」、前回のフォトキナでは「GH2」を発表。
-そして今回、GHシリーズの最新モデルとなる最高級機「GH3」をフォトキナで発表した。
-今回の「GH3」はこれまでの「GH」シリーズより、さらに本格的なプロのハードな要求や使用に耐えるモデルに仕上がっているのが最大の特徴だ。

-ブースでは、実際に稼働するモデルによるハンズオン体験ができ、多くの来場者がその感触を確かめていた。
-実機を見ると、これまでのGHとは一線を画す”本格派感”があり、コンパクトな外観でありながらも、高い剛性感と高級感が掌から伝わってくる。
-グリップ感もよく、手に自然にフィットする、心地よさを感じるホールド感を実現している。
-本機は、防塵防滴構造を採用しており、同じく防塵防滴構造のXレンズ「12〜35mmF2.8」や、今回発表された「35〜100mmF2.8」などとの組み合わせにより、アウトドアでのハードな使用にも耐えるという。
-ファインダーは新開発の174万ドットの有機ELを採用。表示品質も従来よりきめ細かく、カラーブレイキングもでないため、なかなか見え味のいいEVFを実現している。
-AF測距もさらに高速化されており、新搭載の16メガLiveMOSセンサーは、より高感度に強くなっている点もトピックスだ。
-また、最新鋭機種らしく、ボディーにWiFi機能を搭載しており、データ転送はもちろん、スマートフォンやタブレットでの撮影操作も可能。ファインダー像も端末側で見ることができ、とても便利で実用的だ。
-今回は欧州向けの発表であり、日本国内で展開することは確実だが、そのタイミングはアナウンスされていない。
-とはいえ、来月、日本ではCEATEC Japanが開催されるため、そのあたりでお披露目される可能性もありそうだ。

-レンズのロードマップもアップデートされ、あらたに「42.5mmF1.2」(85mmF1.2相当)と、「150mmF2.8」(300mmF2.8相当)の2本が追加された。
-いずれも、大口径な単焦点ながらも、リーズナブルなサイズに収まっており、マイクロフォーサーズの強みを発揮している感じだ。
-また、「42.5mmF1.2」では、通常の位相差検出AFではピント精度をなかなか確保できない超大口径レンズながらも、コントラストAFであれば、十分に安心して使える点が大きな魅力だ。
-いずれも発売はいずれも2013年とアナウンスされていた。



●キヤノン
小型軽量なフルサイズ一眼レフ「EOS 6D」や発売前の「EOS M」、
50倍ズーム機「SX50HS」、WiFi搭載の「S110」、新PIXUS Proシリーズなど盛りだくさんのキヤノンブース

-フォトキナでは毎回、意欲的な新製品を数多く発表するキヤノン。
-今回も開催前日に、35mmフルサイズ機「EOS 6D」を発表。さらにコンパクトカメラのPowerShotシリーズも多数発表するなど、とても意欲的な展開を図っていた。
-まず、話題の「EOS 6D」だが、ブースでの人気は上々。初日は少し待つ程度で手にすることもできたが、2日目になるとその順番がなかなか回ってこないばかりか、カウンターで「EOS 6D」を手に感触を確かめていると、その後ろに幾重もの人垣ができるほど。
-実機を手にすると、その小型軽量さがすぐに実感できる。まさに「EOS 60D」+α程度のサイズであり、手の小さな私でも持てあますことがなく、安心してホールドできる点に好感が持てる。
-正直なところ、ライバルの「D600」に比べると、スペック面や撮影時の感触が若干は見劣りするシーンもあるが、十二分な性能を備えており、小型軽量でより高感度に強くなった「EOS 5D MarkII」の後継機と考えれば、十分にリーズナブルなモデルに仕上がっている。
-ブースではセット販売となる既存の「24〜105mmF4L IS」が装着されていたが、レンズがやや大きく重めで、価格も高めな点は気になるところ。実際日本国内での価格も、ボディー単体では「D600」より2万円くらい安いが、レンズキットになると、「EOS 6D」側は約30万円と、価格が一気に逆転してしまう点は要注意だ。

-キヤノン初のミラーレス機「EOS M」も、カウンターで自由に触れることができた。
-といっても、欧州、とくにドイツでのミラーレス人気は意外に低く、市場シェアも以下と日本の1/4程度。しかも、人気の中心はEVF搭載や対応機で、背面ディスプレイ専用機の人気は低い。
-そんなこともあってか、初日、ブースを観察していると、同機を見ているのは、明らかに他社カメラメーカー関係者らしき人が多かったのが印象的。
-なかには、AF速度などを確認しながら、説明員に「このファームウエアは本当にファイナルか?」と質問している他社エンジニアの姿も見られた。
-ブースで実機に触れた感覚では、キットレンズで使い限り、AFはやはり「Kiss X6i」とほぼ同等か+α程度という印象。
-最近は他社のミラーレス機が一眼レフを超えるほどの爆速状態になりつつあるのに比べると、やはり初物感はぬぐえない。
-だが、ボディーの質感などはなかなかのレベルであり、EOSのサブボディーとして、なかなか魅力的なモデルだと感じた。

-PowerShotシリーズでは、国内でも発表になった「G15」、WiFi搭載機の「S110」などを発表。
-さらに現地で高い人気を光学50倍の超高倍率ズーム機「SX50IS」も登場。欧州市場では、ミラーレス機よりも、小型で実用的な高倍率機が人気を博しているという。
-確かに、コストとバリューでみると、画質の差はあるにせよ、通常使用ではミラーレスより高倍率機の人気が高い点も十分うなずける。
-実は私自身、今回の会場取材用のメインカメラは25〜600mm相当でF2.8を実現した、小型軽量な高倍率コンパクト機「LUMIX FZ200」を使っているのだが、実際、いまや1/2.3型センサー機でも実用十分な画質を実現していることを考えると、欧州でミラーレス機が開花するまでには、もう少し時間がかかるのでは?という感じもした。

 
-プリンター系でも、日本国内未発表のA3ノビプリンターやスタイリッシュなA4複合機が多数展示されている。
-このあたりは、追って国内でも発表・発売されると思われる。
-なかでも、個人的に注目したいのは、いまや少数派となった染料インク搭載のA3機の新製品が登場した点。いまや染料系でも保存性は100年単位であり、顔料系にはない透明感のある描写は大きな魅力。この世界をきちんとプロ機の新製品としてラインナップしてきている点に、キヤノンの写真画質や写真表現へのこだわりが感じられた。

●富士フイルム
小型軽量になった高画質APSミラーレス機「X-E1」やスタイリッシュな2/3型機「XF1」を発表
-富士フイルムは今回、プレミアムモデル「Xシリーズ」のラインナップを拡充。あらたに「X-E1」と「XF1」を発表した。
-2年前のフォトキナでは「X100」のプロトタイプを出品し、大きな話題になったが、今回の新製品もなかなか強力で魅力的だ。

-昨年、独自開発のX-Trans CMOSと独自マウントレンズで、ミラーレス市場に参入した富士フイルム。
-一号機の「X-Pro1」は画質は現行機でもトップレベルの実力ながらも、こだわりのハイブリッドEVFの搭載により、ボディーが大きく、価格も高くなり、個性の強さから独自スタイルの孤高のモデルという感じだった。
-しかし、今回の「X-E1」では、ファインダーを通常の一体型EVFにすることで、大幅な小型軽量化を実現。
-さらに、「X-Pro1」の新ファームウエアと同等の、従来比で2倍ものAF速度を実現(標準ズーム時)し、操作性をリファインすることで、とても魅力的なミラーレス機に仕上がっている。
-これだけコンパクトで高速動作ができるなら、最初からやってよぉ〜といいたくなるような仕上がりだ。
-APSセンサー搭載機ながらも、ボディーは十分にコンパクトで、EVF一体型のNEX-7よりもコンパクト。感覚的には先代のオリンパスPENシリーズに近いサイズだ。
-ブースを見ていると、来場者の評価は高い感じだが、知名度はもう一息といった印象だ。
-実機を見ると、写真で見る以上にコンパクト。同時発表された標準ズームも、APS用でF2,8〜4.0と大口径にも関わらず、十分にリーズナブルで携帯に便利なサイズに収まっている点にも好感が持てる。
-また、操作系には、電源が入っていなくても、見ただけでカメラの設定状態がわかる、3ダイアル方式を採用しており、実用に即した操作体系となっている。
-画質は「X-Pro1」と同じ撮像素子と画像処理エンジンを採用しているため、まったく同等。独自のフィルター配列による、ローパスなしの切れ味のいい描写と現行機でトップクラスの高感度描写を達成しているという。
-ただし、残念だったのは、RAW現像ソフトが新規に開発されなかった点。付属のSilkyPixを使っての処理もいいが、富士独自の色調が再現できない点は残念だ。
-同機は日本国内でもすでに発表されているが、事実上のNEX-7のライバル機として、注目すべきモデルといえる。

-ブースには。CP+でオリンパスが展開しているような「レンズバー」があり、往年の銘レンズを装着しての実体験ができるスペースも用意されていた。
-もっとも、用意されているレンズは、比較的定評のあるライカレンズが中心。できれば、ややクセのあるレンズが、本機の236万ドット有機ELを通して、どんな感じに見えるのか、楽しんでみたかった。

-プレミアムコンパクト機では、手動での沈胴式レンズを採用し「XF1」を現地発表。
-このモデルは、2/3型12メガのEXR CMOSセンサー搭載4倍ズーム機だ。
-しかもレンズは、沈胴式のF1.8〜4.9の明るい4倍ズームを搭載し、この薄型ボディーを実現している。
-tこの沈胴式レンズは、携帯時にボディー内に大半が収まっており、撮影時には手動式で沈胴レンズを引き出し、回転させることで電源はONになるという凝ったもの。
-ブースでは、さすがに説明員の説明を聞かないと電源をONにできない人もいたが、「撮影時に一手間かける」というXシリーズの作法に基づいたものとしては、実利にもかなった機能といえる。
-画質面では、同じセンサーを搭載した「X10」と同等というが、この薄さと高品位さと携帯性の良さで、「X10」と同じ画質なら、こだわり派の常時携帯機として、なかなか魅力的なモデルになりそうだ。



●ソニー
35mmフルサイズ機「α99」「RX1」をアピール。国内未発表の「NEX-6」「5R」や新Eマウントレンズも出品
-ソニーは今回、35mフルサイズセンサーを搭載した、デジタル一眼、高級コンパクト機、レンズ交換式ビデオカメラを一斉に発表。
-まさに一挙にフルサイズの大攻勢をかけてきた感じで、フォトキナでの存在感も従来より一段と大きくなった印象がある。
-ブースでは「α99」の実機が多数用意されており、自由に触れられる状態だ。
-実機を見ると、フルサイズ機ながらも、APSの「α77」とほぼ同じレベルのサイズに収まっており、高耐久性を備えた防塵防滴仕様のハイエンド機ながらも、十分に軽量なモデルに仕上がっている。
-ファインダーは同社独自の半透明ミラーを採用したトランスルーセント方式で、AFは位相差検出を採用。しかも、特定モードでは、CMOSセンサーの撮像面での位相差検出も行えるため、従来の位相差AFより動体追従や広い範囲での測距を可能にしている点が特徴。
-EVFは今回も236万ドットの有機ELだが、ガンマやアイピース光学系を見直すことで、より自然なファインダー像を実現。一瞬、光学ファインダーかな?と思われるレベルにまで進化しており、思いの外、違和感はない。
-正直なところ、「D600」や「EOS 6D」に比べると、会場での人気では一歩譲る感もあるが、カメラの完成度では、最高級機とうたうだけあって、これら同時期に発表された2モデルよりも高めの印象だ。

-一方、デジタルコンパクトではじめての35mmフルサイズ機「RX1」は、今回も展示のみで、実機に触れることはできない状況。
-アクリル越しに見る「RX1」は、なかなかにコンパクトで高級感があり、目にするたびに魅力が増してゆく感じがして、ちょっと危ない(?)。
-本機が造りもなかなかいいが、実は購入すると見ることができない、カメラの内部が大いに魅力的。
-とくに、短いフランジバックで35mmフルサイズをカバーするように設計された「35mmF2」レンズの後ろ玉などは、前玉よりも遙かに巨大で35mmセンサーとほぼ同じサイズ。
-当然のところながら、通常はこの後ろ玉を見ることなどできないのだが、「見えない裏地に凝る」大人のカメラという感じがしてきてしまう。
-ただ、やっぱり、35mmF2という焦点域は、カメラ一台だけを気軽にぶら下げて歩くには、ちょっと長め。また、背面ディスプレイでF2開放でのピントが撮影時に確認できるのかという疑問もあり、外付けEVFも欲しくなるところだろう。
-日本での実売価格は25万円。おいそれと買えるようなカメラではないが、モノや撮影された作品を見る限り、それに見合う価値が十分にありそうな魅惑の存在になりそうだ。


-NEXシリーズでは、海外先行発表の「NEX6」「NEX-5R」も展示。
-いずれも、WiFi機能を搭載しており、アプリをダウンロードすることで機能を拡張できるのが大きな特徴。
-EVF自動切り替えのアイセンサー一体型の16メガ機「NEX6」は「NEX7」と比較するとややコンパクトな感じで、高速連写や高感度性能にも優れるため、動体撮影に適したモデルといえそうだ。

-Eマウント用の新レンズも続々登場。といっても、展示エリアには、とくにNewの文字とともに展示されているわけではないので、あやうく通りすぎるところだった。
-大口径標準レンズ「E35mmF1.8」は比較的コンパクトで携帯性も悪くない感じ。
-待望のワイド系ズーム「10〜18mmF4」もスペックから想像するよりもコンパクト。OSS付きなのも安心だ。
-沈胴式の新標準ズーム「16-50mm」はなかなかにコンパクトで、現行の18-55mmよりも魅力的だ。

-ソニーブースでは、大型の民生用4Kテレビも多数用意されており、同社モデルで撮影した動画や静止画なども適時映し出されている。
-さすがに4Kになると、80インチクラスの大画面での、その緻密さな映像を堪能できる点が大きな魅力。
-まだ、静止画の表示はカード経由で行われているというが、まだまだ簡単に表示できる世界ではないが、近い将来、写真を4Kテレビで楽しむ時代が到来するのを予感させるに十分な魅力を感じた。





2012/09/19
(水)
【フォトキナ2012 現地レポート 初日編】
-ドイツ・ケルン市で開催される、世界最大の写真機材見本市「フォトキナ2012」が開幕した。
-今年は例年よりも大型の新製品が多く、まさに新製品発表ラッシュという感じだ。

-ただ、初日としては、会場は意外に混み合っていない印象。
-もあり、期待の新製品も、黒山の人だかりという状態はあまりみられない。大半は、一人くらい待てば、実機に触れることができるレベルで、やや肩すかしの感もある。

-近年のイベントでは、インターネットで情報を取得してから、二日目以降に、会場を訪れる人が増える傾向が顕著であり、その影響も大きい。
-また、初日は一般来場者が少なく、大半はディーラーやメーカー、プレス関係者がメインなので、ネットでの事前発表が増えたことも、大きく起因していると思われる。

-フォトキナに隣接したメッセ駅から会場に向かうと、正面に巨大なスクリーンがある。
-これは、ニコンの協力により、会場を訪れた人を順次、ケルンのシンボルである大聖堂をバックに撮影したものを、適時更新して表示しているもの。
-今年は、撮影現場に巨大な送風機を持ち込み、風による動きにより髪などにカットになっているのが進化点。
-前回の撮影機材は一眼レフだったが、今回は「Nikon1 V1」を使っていたのが印象的だった。



●ハッセルブラッド
「NEX-7」ベースで”手作り感にこだわった”
APS-C 24.3メガCMOS搭載のミラーレスカメラ「Lunar」を公開。レンズ付きで5,000ユーロを予定

-中判カメラで有名なハッセルブラッド社が、同社初のミラーレス機「Lunar」を発表。
-外観から容易に想像がつくように、ベースモデルはAPS24メガのEVF搭載機「ソニー・NEX-7」。
-同機をベースに外装、とくにグリップや操作部を独自デザインとし、オリジナリティーのあるモデルに。
-ブースでは本機を「手作り感にこだわったモデル」と説明。
-また、「開発発表段階で、どこまでそのまま製品化されるかわからない」とも、口頭でアナウンスしており、まだこれが最終形ではないようだ。
-レンズマウントは、ソニーNEXの「Eマウント」を採用。レンズにはHASSELの文字が刻まれていた。
-イメージセンサーは、APS-Cサイズの24.3メガCMOSと、NEX-7と同じもの。
-EVFは一体型の有機ELディスプレイを搭載。

-なお、本モデルは、1962年にハッセルブラッドがNASAのスペースカメラとして宇宙に飛んでから、今年で50年目を記念したモデルでもあり、名称の「Lunar」はそこに由来するという。
-また、同機をツァイスレンズで活用できるよう、ブースでは、今回発表されたばかりの、ツァイスのミラーレス用Eマウントレンズ「12mmF2.8」を装着したモデルも展示されていた。
-会場では、「ハッセルがNEX-7ベース作るんだ」という、ある種の驚きとともに迎えられている雰囲気だった。
-価格は、標準ズーム(ソニー・E18-55mmF3.5-5.6)付きで5,000ユーロ(約50万円)を予定しているという。



●カールツァイス
APSセンサー搭載ミラーレス機用交換レンズに参入
第一弾として「ソニー・Eマウント」「富士・Xマウント用」レンズ3種を展示。フルサイズ対応新標準レンズも公開

-ドイツを代表する光学機器メーカー「カールツァイス」。
-今回のフォトキナでは、従来のレンズ群に加え、あらたに、ミラーレス機用交換レンズ市場に参入。
-ブースでは、APS-CサイズセンサーでAF対応の単焦点レンズ「12mmF2.8」「32mmF1.8」「50mmF2.8 Macro」の3種を発表した。
-マウントはNEXシリーズ用の「ソニー・Eマウント」と、富士フイルムXシリーズ用の「Xマウント」の2種。
-ブースで、マイクロフォーサーズ用について聞いたところ、「予定はない」という返答だった。
-これらのレンズは、2013年の夏から発売されるという。
-これまであまりAF用レンズを手がけてこなかった同社が、どのようなレンズに仕上げてくるのか興味深いところだ。
-ブースでは、これらのレンズのモックアップを展示しており、いずれも比較的コンパクトに仕上がっていた。

-さらに、35mmフルサイズ対応のハイエンド一眼レフ向け標準レンズとして「Distagon 55mmF1.4」も同時発表。
-こちらは、とことん高画質を追求したレンズであり、とうてい、55mm標準レンズとは思えない巨大なレンズに仕上がっている。
-利便性や携帯性ではなく、あくまでも高画質にこだわるカールツァイスらしい大口径標準レンズといえる。
-また、先だって発表された大口径中望遠レンズ「APO Sonnar 135mmF2」も公開。
-いずれも、マウントはニコン用の「ZF.2」と、キヤノンEOS用の「ZE」の2種を用意している。



●ニコン
フルサイズデジタル一眼レフ「D600」が大人気。市内のカメラ店では販売を開始
-今回、35mmフルサイズ機が各社から続々登場したが、初日の会場を見る限り、一番人気は「ニコン・D600」。
-もともと、ドイツではニコンの人気が高いこともあって、ブースでは「D600」の実機を見ようというユーザーが数多く訪れていた。
-正直なところ、フォトキナでのニコンブースの新製品というと、数十分待ちは必至という感じなのだが、今回は初日にもかかわらず、10分待ちくらいで手にすることができた。
-もっとも、ドイツの来場者は、カメラを手にしている時間がきわめて長く、数十分レベルのこともあるのだが。
-ブースで実機を見ると、「D800」よりも一回り軽量でコンパクト。しかも、「D800」的な質感も備えており、100%視野率のファインダーは安心感がある。
-また、24-85mm VRのような手頃な価格帯の標準ズームがある点も高評価なようだ。

-日本での発売は来週後半だが、現地ドイツでは、デリバリーが始まったようで、昨日まで展示だけだった大聖堂下のカメラ店では販売が開始されたようだ。
-価格はフォトキナ特別価格で、ボディーが1,997ユーロ(1ユーロは約100円前後)。通常価格は2,149ユーロと、日本とほぼ同価格帯。
-24-85mm付きキットは、フォトキナ期間プライスが2,497ユーロ、通常は2,699ユーロと、こちらは若干、日本よりも休めの設定のようだ。
-すでに初日のフォトキナ会場では、普通の来場者らしい人が「D600」をぶら下げて歩いているシーンもみられ、ライバル機に先駆けて市場投入された感じだ。





●富士フイルム
ハイブリッドファインダーを省き236万ドット有機ELのEVFを搭載
大幅な小型化と高速化を実現したAPSサイズ16.3メガX-Trans CMOS採用機「X-E1」、日本国内正式発表

-「X-Pro1」をベースに、大幅な小型軽量化を実現したミラーレス機。
-大きさは「X-Pro1」に比べ大幅な小型化を実現。ほぼ「X100」と同サイズに。
-ハイブリッドEVFビューファインダーを省き、236万ドットの有機ELディスプレイによるEVFを搭載。X-Pro1で省かれた視度調整機能も搭載。
-AFを大幅に高速化。クラス最速の0.1秒の高速AFを実現。操作性などもリファイン。
-イメージセンサーは、X-Pro1と同等の、APSサイズ16.3メガX-Trans CMOSセンサーを搭載。
-背面ディスプレイは、2.8型46万ドット液晶を搭載。
-大きさは約129×74.9×38.3mm。重さ約350g。
-標準ズームとして、大口径で光学手ぶれ補正式の「FUJINON XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」、超広角レンズ「XF14mmF2.8 R」を同時発表。
-2013年にはXFレンズシステムを現行レンズ含め、ラインナップを10本に拡充。
-オープンプライス。ボディー約9万円前後、レンズキット13万円前後。11月上旬発売。

2012/09/18
(火)
【フォトキナ2012 現地レポート 前日編 II 】
世界最大の写真機材見本市「フォトキナ2012」が、ドイツ・ケルンで本日9月18日に開幕する。
現地では、前日のプレスディから、フォトキナ現地での新製品発表が相次いで行われている。
時差の関係で現在はまだ、17日深夜のため、前日に、現地発表された新製品やプレスイベントなどの模様をダイジェスト版で紹介する。

-2年に一度、ドイツ・ケルン市のケルンメッセで開催される、世界最大の写真機材見本市「フォトキナ」(9月18日〜23日)。
-まだ開幕前だが、会場は着々と準備が進められており、前日のプレスディには大手メーカー各社がそれぞれ個別にプレスイベントを開催。
-今回のフォトキナでは、既報の通り、前日の17日に、キヤノンがフルサイズ機「EOS D6」、オリンパスは16メガミラーレス「E-PL5」「E-PM2」、パナソニックは最高級機「LUMIX GH3」を発表するなど、かなりも盛り上がりを見せている。
-フォトキナ直前に発表された「D600」はすでに、有名なケルン大聖堂に隣接したカメラ店のウィンドーにずらりと並べられており、雰囲気を盛り上げている。とはいえ、発売前なので展示のみで購入することはできない。




●ライカカメラ
M型ライカ初のライブビュー対応
35mmフルサイズ2,400万画素CMOS搭載レンジファインダーカメラ「ライカ M」発表

-ライカMシリーズではじめて、ライブビューに対応した、新世代モデル「ライカ M」。
-イメージセンサーに、CMOSIS社との共同開発による、ライカ判(35mmフルサイズ)の2,400万画素CMOSセンサーを搭載。最高感度ISO6,400。1080のフルHD動画撮影も可能。
-ファインダーは従来の距離計連動式光学ファインダーに加え、背面ディスプレイによるライブビューでの撮影が可能に。オプションでEVFの搭載も可能。
-ライブビューでのフォーカシングをアシストするライブビューフォーカスピーキング機能搭載。
-ライブビューを利用することで、一眼レフシステムの「R」シリーズ用レンズをM型モデルではじめてサポート。マウント変換アダプターも用意。
-背面ディスプレイは、3.0型約92万ドット液晶を採用。
-ボディー素材は、トップカバーとベースプレートが無垢の真鍮削りだし。筐体はマグネシウム合金ダイカストを採用。
-大きさは、約139×42×80mm。重さ約680g。色はブラックペイントとシルバークロームを用意。
-全世界同時発表。

●シグマ
新グローバルビジョンを発表。
目的やコンセプトに応じた3種の新プロダクトライン、「C」「A」「S」ラインを展開
-シグマが今後のグローバルビジョンを発表。さまざまなアプローチでのレンズ展開へ。
-レンズを単なる焦点距離やF値などではなく、コンセプトや目的別にカテゴライズした、新製品ラインをフォトキナで現地発表。
-ラインは「C」「A」「S」の3種。Cラインは「Contenporary」、Aラインは「Art」、Sラインは「Sports」を意味し、それぞれに見合ったレンズ群を展開。

新レンズラインの第一弾として、Cラインの「17-70mmF2.8-4 DC MACRO OS HSM」、
Aラインの「35mmF1.4 DG HSM」、Sラインの「120-300mmF2.8 DG OS HSM」を3種を発表
-新レンズプロダクトラインの第一弾として、各カテゴリーのレンズ3種を発表。
-CラインではAPS機向け標準ズーム「17-70mmF2.8-4 DC MACRO OS HSM」を発表。
-Art系のAラインでは、35mmフルサイズ対応の高性能大口径レンズ「35mmF1.4 DG HSM」を発表。
-Sport系のSラインでは、「120-300mmF2.8 DG OS HSM」を発表。

●シグマ
ユーザーがレンズのファーム書き換えで
自分のレンズをカスタマイズできる新システムを展開。AF位置やAF速度、フォーカス範囲などを設定可能に

-PC用ソフトとレンズのファーム書き換え用アタッチメントにより、レンズのカスタマイズをファームウエアレベルで実現可能な新システムを発表。
-無償提供の専用ソフトにより、レンズの焦点距離ごとのピント位置情報(基準値からのズレ量)や、シーンに応じたAF動作、フォーカスする距離レンジなどを、ユーザー自身がカスタマイズ可能に。
-レンズのファーム書き換えには、各マウントごとに専用の書き換え用マウントアダプター「USB Dock」を用意。


<シグマ・プレスイベント>

-今年、他界された会長の山木道夫氏の功績を紹介。
-最初に手がけた製品の逸話などを披露。
-会場には、歴代のエポックメイキングなレンズやカメラなども展示されていた。

<New Product Line>
-今回あらたに発表された、新プロダクトラインを紹介。
-新ラインは、「C」「A」「S」の3種があり、それぞれ、「Contenporary」「Art」「Sports」を意味する。
-それに見合った被写体や撮影シーンなどを熟考し、最適なプロダクトを各ラインごとに今後展開してゆく。

17-70mmF2.8-4 DC MACRO OS HSM
-Cラインの第一弾「17-70mmF2.8-4 DC MACRO OS HSM」。
-APS対応の大口径でコンパクトな手ぶれ補正機能搭載レンズ。
-従来品よりもさらにコンパクトに仕上がっている。

35mmF1.4 DG HSM
-高性能指向のAラインでは、第一弾として「35mmF1.4 DG HSM」を発表。
-同レンズは、35mmフルサイズ対応の大口径広角レンズ。
-同スペックの他社レンズでは、フォーカス面に対して、その前後で色が付く傾向が見受けられるが、このレンズではその点を含め大幅に改善。きわめて高画質なレンズに仕上がっているという。
-待望の35mmF1.4であり、サイズ感も適度なレベル。外装もなかなか高級感がある。
-このレンズは価格は未定だが、2012年11月発売予定。

120-300mmF2.8 DG OS HSM
-Sラインの第一弾は望遠大口径ズームの「120-300mmF2.8 DG OS HSM」。
-現行製品と光学系は同等だが、外観デザインを変更することで、安定したホールド感を実現。手持ち撮影にも耐える操作感を実現している。
-重さは現行品よりやや重くなるというが、ホールドしたままMF操作もでき、なかなか使い勝手のいいレンズへと進化している。
-価格未定。発売は来年を予定している。

<SIGMA Optimization Pro 1.0 & USB Dock>
-これまでどのメーカーも、ユーザー向けとして手がけてこなかったレンズファームウエア変更によるカスタマイズを実現したシステム。新しいアプローチとして注目される。
-パソコン用ソフト「SIGMA Optimization Pro 1.0」(無償提供)とファーム書き換え用の「USB Dock」を用意。
-おもにAF関係の機能をカスタマイズでき、フォーカス位置やAF動作、フォーカス距離リミット機能などを、自分の目的にあわせてカスタマイズ可能。
-「USB Dock」は、各社マウント用を用意。価格未定。いずれも2013年公開予定だ。

<Excellent Quality Control>
-同社のSD1 Merrillに搭載されている、超高解像度の46メガFOVEON X3。
-その性能をフルに発揮できるよう「A1」と呼ばれるカテゴリーでの新しいMTFを導入するという。

<Excellent Manufacturing>
-シグマレンズは、いまや希少な日本国内での一貫生産を貫いている。
-そのクラフトマンシップをさらに明確化。
-イベントでは、同社の会津工場でのレンズ製造工程で働く人々と豊かな自然をテーマにしたムービーを作成し、それをアピールしていた。






●富士フイルム
沈胴式のF1.8〜4.9の25〜100mm相当4倍ズームを搭載した
2/3型12メガEXR CMOS搭載超薄型コンパクトカメラ「FUJIFILM XF1」、欧州発表

-クラシカルでファッショナブルなXシリーズの新展開となる「XF1」を欧州発表。
-手動式の沈胴式鏡胴の採用により、2/3型センサーで、F1.8〜4.9の4倍ズームながらも薄さ33mmに。
-レンズはワイド端でF1.8を実現した、沈胴タイプで25〜100mm相当の光学4倍ズームを搭載。
-沈胴動作は手動式で、レンズを引き出すことでカメラのメインスイッチとしても動作。
-イメージセンサーは「X10」と同じ、2/3型12メガ EXR CMOSセンサーを搭載。最高感度ISO3,200(フル画素時)。
-薄型で高い携帯性を実現しながらも、画質面ではほぼ「X10」に匹敵する高画質を達成。
-背面ディスプレイは、3.0型約46万ドット液晶を搭載。
-大きさは、107.9×61.5×33,0mm。重さ約204g。
-欧州向け発表。




<オリンパス・プレスイベント>


●オリンパスイメージング社長 小川氏
・Eシリーズのフォーサーズシステムは、小型で優れた描写性能を備えたシステム。
・マイクロフォーサーズシステムでは、4年前のフォトキナに、このモックアップを公開した。
・ここから、オリンパスPENが登場し、各社のミラーレス機も、このモックアップから登場したともいえる。
・OM-Dで、EVF付きモデルを構築。OM-Dはイメージクォリティーでフルサイズにも劣らない実力を備えている。
・オリンパスだけの5軸手ぶれ補正。決してぶれることがない。
・さらに、世界最速のAFシステムを備えている。
・もっと優れた特徴は、防塵防滴システム。どんなに厳しい環境でも撮影できる。
・水をかけても、撮影できる。この信頼性の高い技術をコンパクトカメラにも搭載。


・タフTG-1。この分野もオリンパスが構築した。12m防水、低温や2mから落としても壊れない。
・このモデルはミラーレスのエンジンを搭載。
・オリンパスはミラーレスで構築したテクノロジーをコンパクトで展開。
・これからも継続するシステムとして、新ブランド「STYLUS」を展開。
・ミラーレスで築いた技術をコンパクトカメラで育ててゆく。
・OM-Dは全世界で数々の賞を受賞。
・今回の新PENシリーズを含め、進化させてゆく。

<新マイクロフォーサーズ用レンズ「12mmF2.0ブラック」「ED60mmF2.8 MACRO」>
-日本での宮崎あおいさんと同じように、欧州でPENやOM-Dシリーズなどの広告展開に参加しているTHOMAS HAYO氏が登場。
-限定発売の「12mmF2.0」や新製品の等倍マクロ「ED60mmF2.8 MACRO」を紹介。
-いずれも大口径で高性能なレンズだが、とてもコンパクトだ。

-つづいて、PENシリーズの新製品「PEN E-Pl5」「E-PM2」が登場。
-コンパクトなボディーに、E-M5と同じセンサーや画像処理エンジンを搭載し、高画質な写真が撮れる点を手軽にアピール。
-さらに、「E-PL5」のフリップ液晶を使った自分撮りのデモを、Flash AirカードによるWiFi機能とともに紹介。
-二人で撮影し、すぐにiPadの画面で楽しむデモを展開。
-会場でも(メーカーの予想に反して)大好評のボディーキャップレンズ。15mmF8の3枚構成なので、写りはそれなりではあるが、なかなか味わいのある描写ともいえそう。”パンケーキレンズ”に対して、”クッキーレンズ”というニックネームで呼ばれているようだ。

-大口径ズーム搭載高級コンパクト機「XZ-2」。
-新搭載の、クリックのON/OFFが可能なコントロールリングを搭載。簡単な発想だが、クリックのあるなしで操作感覚が大きく異なり、感覚にあった操作が可能だ。


<質疑応答>
Q.Eシステム(レギュラー・フォーサーズ)の今後について
A.Eシステムは、現在、複数のものを進めている。今回はまだ公開できないが、Eシステムのレンズを活かせるボディーを進めている。(小川社長)

Q.水中でも撮影できるレンズ交換式カメラは?
A.私たちも望んでいるが、とても難しい。永遠の課題として取り組んでゆきたいと思う。(小川社長)

-プレスイベント後は、新製品や参考出品の「17.5mmF1.8」などを自由に触れることができた。
-PENシリーズの新製品「PL5」「PM2」は、広報写真で見るよりもずっと薄型でコンパクト。これでE-M5と同じ画質が得られるのであれば、なかなかに魅力的。質感もよく、タッチ操作になった「PM2」のメニューもわかりやすい。
-好評だったのは、普段は門外不出の、PENのオリジナル・モックアップ。通常は手に触れることはできないが、今回はプレス限定で触れることもできた。もちろん、動作しないモックであり、かなり重いのだが、いま見ると、これはこれで、なかなかオシャレだなぁという声も多く、社長の小川氏もなかなかご機嫌だった。





2012/09/17
(月)
【フォトキナ2012 現地レポート 前日編】
世界最大の写真機材見本市「フォトキナ2012」が、ドイツ・ケルンで明日9月18日より開幕する。
現地では、前日のプレスディから、フォトキナ現地での新製品発表が相次いで行われている。
本日の前日編では、現地発表の新製品やプレスイベントなどの模様を適時、紹介したい。



●欧州パナソニック
防塵防滴・高耐久性・拡張性を備えたLUMIX Gシリーズの最高級機
4/3型1,605万画素LiveMOS搭載ミラーレス機「LUMIX GH3」、欧州発表

-元祖ミラーレス機「LUMIX G」シリーズのハイエンドモデル「LUMIX GH3」をフォトキナ会場で発表。
-プロやハイアマチュアの使用に耐える、高い機動性・耐久性・拡張性を実現。
-ボディーにマグネシウム合金を採用。防塵防滴構造に。
-イメージセンサーは新搭載の4/3型1,600万画素LiveMOSセンサーを採用。最高感度ISO 12,800を達成。ダイナミックレンジやSN比を改善。
-センサーとレンズ制御を240fpsの超高速駆動化により、AF追従性能や被写体検出速度を向上。
-モアレを極力抑え、センサー解像度を引き出す新設計のローパスフィルターを搭載。
-EVFには、新開発の174万ドットの有機ELディスプレイを搭載。高精細で高レスポンスを実現。視野率100%、倍率1.34倍。アイポイントも21mmと十分な設計に。
-画像処理エンジンには4CPUのヴィーナスエンジンを搭載。マルチステージNRや3DNRにより、低ノイズで高精細な画質を実現。
-連写速度は秒間6コマ。RAW+JPEG時でも18コマの連続撮影が可能。
-背面ディスプレイは、3.0型61.4万ドットで可動式の静電式タッチ液晶を搭載。
-シャッター速度は、1/4,000〜60秒まで。バルブ撮影時は10分まで。
-ISO感度は、通常200〜12,800。拡張時ISO125と25,600での使用も可能。
-動画性能は、1,920×1,080/60P。従来からのAVCHD記録に加え、編集向けのMOV(H.264)記録にも対応。60Pで50Mbps、30Pで72Mbps(ALL-intra)での記録が可能に。
-OSD(画面内設定表示)のないHDMIモニタリングスルー機能も搭載。
-オプションとして、LUMIX Gシリーズ初の縦位置バッテリーグリップを用意。LED搭載ワイヤレスフラッシュ対応ストロボやステレオガンマイクもラインナップ。
-フォトキナ現地発表。

●欧州パナソニック
大口径なXレンズの望遠ズーム「35-100mm/F2.8」発表
-35mm判換算で70〜200mmF2.8相当となる、コンパクトで大口径な望遠ズーム「35-100mmF/2.8」を開発発表。
-全域F2.8の大口径ズームながらも、きわめてコンパクトな設計に。
-インナーフォーカス式の採用で、フォーカス時の全長変化がなく、安定したホールディングが可能。
-ナノサーフェースコートにより、ゴーストやフレアを極限まで提言。
-「12-35mmF/2.8」との組み合わせにより、12〜100mm(24〜200mm相当)までF2.8でカバー。
-ロードマップもアップデート。2013年には大口径望遠レンズ「150mmF2.8」(300mmF2.8相当)、「42.5mmF1.2」(85mmF1.2相当)」も開発中。
-フォトキナ現地発表。

●キヤノン
「EOS 60D」並の小型軽量化を実現。WiFiとGPS機能を搭載した
35mmフルサイズ2,020万画素CMOS搭載デジタル一眼レフ「EOS 6D」発表

-35mmフルサイズ機で、APS機並みの小型軽量化を実現した、新ラインナップ「EOS 6D」を、フォトキナ現地発表。
-35mmフルサイズ機ながらも、APSの「EOS 60D」に匹敵する小型軽量化を達成。携帯性と高画質をバランスよく両立。
-2,020万画素の新開発CMOSセンサーを搭載。画像処理エンジンはDIGIC 5を採用し、「EOS 5D MarkIII」と同等の高感度性能を実現。
-ISO感度は、ISO100〜25,600。拡張設定でISO50とISO102,400の超高感度での利用が可能。
-ファインダー視野率は約97%。ファインダー倍率は約0.71倍。
-連写速度は秒4.5コマ。
-AFは11点測距。
-シャッター速度1/4,000〜30秒。
-背面ディスプレイは、3.0型約104万ドット液晶を搭載。
-メモリーカードは、SDカードを採用。SDXC(UHS-I)対応。
-動作耐久回数は約10万回 (EOS 5D MarkIIIは約15万回)。
-大きさは約144.5×110.5×71.2mm。重さ約690g。
-オープンプライス。実売198,000円。12月上旬発売。

●欧州キヤノン
F1.8〜2.8の大口径5倍ズーム採用1/1.7型1メガCMOS搭載機「G15」
WiFi機能を搭載した1/1.7型12メガCMOS搭載機高級コンパクト機「PowerShot S110」など欧州発表
-PowerShotシリーズの新機種「G15」「S110」を欧州発表。新搭載の12メガCMOS搭載機センサーを搭載。
-50倍ズーム搭載の「SX50HS」も同時発表。
-WiFi機能搭載のPIXMA(PIXUS)や、SELPHYシリーズも同時発表。

●オリンパス UPDATE
「E-M5」の画質をPEN Liteシリーズで実現した4/3型1,605万画素LiveMOSセンサー搭載
タッチAFや自分撮り対応可動液晶搭載で秒8コマ連写のミラーレス機「PEN Lite E-PL5」、日本国内発表

-「OM-D E-M5」の画質をPENシリーズで実現した、PENの中堅モデル「PEN Lite E-PL5」。
-「E-M5」と同等の、4/3型1,605万画素LiveMOSセンサーと画像処理エンジン「TrurPIC VI」を搭載。
-自分撮りが容易な静電容量式タッチ式可動液晶を搭載。上方170度、下方65度に可変できる3.0型約46万ドット液晶を搭載。
-クラス最速レベルのFAST AF機能による「タッチAFシャッター」も搭載。
-アートフィルターは既搭載の全12種をすべて搭載。
-RAW撮影でも、秒間8コマ・連続15コマの高速連写が可能に。
-3DトラッキングAF機能を搭載。位相差検出AFより幅広い範囲でのAF追従が可能。AF追従時でも、秒3.7コマ(手ぶれOFF時)の連写性能を実現。
-PEN E-P3と同じ、着脱式グリップを採用。グリップなしでも利用可能。
-ストロボは今回も、着脱式を採用。
-イメージセンサーは、4/3型1,605万画素LiveMOSセンサーを搭載。センサーシフト式手ぶれ補正機能を搭載。
-背面ディスプレイは、3.0型約46万ドットのタッチ式液晶を搭載。
-動画撮影は、1,920×1,080/30P。MOV(MPEG-4AVC/H.264)記録。
-東芝の無線LAN搭載SDカード「FlashAir」に対応。10月公開予定のスマートフォン用アプリ「OLYMPUS Image Share」により、WiFi経由でスマートフォンへの画像転送も可能。
-大きさは約110.5×63.7×38.2mm。重さ約325g。
-オープンプライス。実売価格はボディー7万円前後、14-42mm付きキット8万円前後、ダブルズームキット105,000円前後。
-10月上旬発売。ボディー単体は受注販売のみ。

●オリンパス
「E-M5」の画質をPEN miniで実現した4/3型1,605万画素LiveMOSセンサー搭載
タッチAF対応で秒8コマ連写のエントリー系ミラーレス機「PEN mini E-PM2」、日本国内発表

-「OM-D E-M5」の画質をPENシリーズで実現した、PENシリーズのエントリーモデル「PEN mini E-PM2」。
-基本性能は、「E-PL5」と同等。可動液晶を省き、薄型・軽量化・低価格化を実現。
-「E-M5」と同等の、4/3型1,605万画素LiveMOSセンサーと画像処理エンジン「TrurPIC VI」を搭載。
-PEN miniシリーズではじめてタッチ液晶を搭載。3.0型約46万ドット液晶を搭載。
-クラス最速レベルのFAST AF機能による「タッチAFシャッター」も搭載。
-アートフィルターは既搭載の全12種をすべて搭載。
-RAW撮影でも、秒間8コマの高速連写が可能に。
-3DトラッキングAF機能を搭載。位相差検出AFより幅広い範囲でのAF追従が可能。AF追従時でも、秒3.7コマ(手ぶれOFF時)の連写性能を実現。
-ストロボは今回も、着脱式を採用。
-イメージセンサーは、4/3型1,605万画素LiveMOSセンサーを搭載。センサーシフト式手ぶれ補正機能を搭載。
-背面ディスプレイは、3.0型約46万ドットのタッチ式液晶を搭載。
-動画撮影は、1,920×1,080/30P。MOV(MPEG-4AVC/H.264)記録。
-東芝の無線LAN搭載SDカード「FlashAir」に対応。10月公開予定のスマートフォン用アプリ「OLYMPUS Image Share」により、WiFi経由でスマートフォンへの画像転送も可能。
-大きさは約109.8×64.2×33.8mm。重さ約269g。
-オープンプライス。実売価格はボディー5万円前後、14-42mm付きキット6万円前後、ダブルズームキット85,000円前後。
-10月中旬発売。ボディー単体は受注販売のみ。

●オリンパス
防塵防滴機能を備えた等倍撮影対応の
マイクロフォーサーズ用マクロレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mmF2.8 Macro」、日本国内発表

-今春の「CP+2012」で参考出品された、マイクロフォーサーズ用マクロレンズを正式発表。
-35mm判換算で2倍相当の拡大撮影ができる、等倍撮影対応の本格マクロレンズに。
-防塵防滴機能を搭載。アウトドアや過酷な条件下でも安心して利用可能に。
-特殊低分散のEDレンズや高屈折率のHRレンズ、超高屈折率のE-HRレンズなどを採用した11群13枚構成。マクロ時から無限遠まで、絞り開放から全画面に渡り、シャープで高コントラストに。
-最短撮影距離19cm。フローティングタイプのインナーフォーカス「MSC」を採用。マクロ時でも全長が変化せず、静粛で高速なAFが可能。安定したフォールディングにも貢献。
-ZEROコーティングの採用により、コーストやフレアを徹底排除。
-35mm判換算で120mmレンズ相当の望遠レンズとしても活用可能。
-独自のフォーカスリミットスイッチを搭載。ワンタッチで等倍撮影が可能。19〜40cm、19cm〜無限遠、40cm〜無限遠の4種のリミット機能を装備。
-等倍撮影時のワーキングディスタンスは82mmとライティングも容易に。
-オプションで専用フードを用意。引き出し式でセットも容易。
-絞りは7枚羽根の円形絞りを採用。
-大きさは、全長82mm、最大径56mm。重さ約182g。
-62,475円。10月上旬発売。

●オリンパス
ボディーキャップに薄さわずか9mmで15mmF8.0の
マニュアルフォーカス式単焦点レンズを内蔵した「ボディーキャップレンズ BCL-1580」、日本国内発表
-ワイド系マニュアルフォーカス単焦点レンズを内蔵した、撮影もできる新発想のボディーキャップ。
-35mm判換算で30mmレンズ相当の単焦点レンズ「15mmF8.0」を内蔵。
-3群3枚のシンプルな構成ながらも、明るさを抑えることで、実用画質を実現。
-マニュアルフォーカス式を採用。近接撮影も可能。
-レンズではなく、アクセサリーとして展開。
-単体販売に加え、新製品「E-PL5」」「E-PM2」購入者に同製品をプレゼントする「PEN Lite E-PL5 / PEN mini E-PM2 発売キャンペーン」を1月6日まで実施。

●オリンパス
マイクロフォーサーズ用大口径広角レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 17mmF1.8」、国内向け開発発表
-同社のマクロフォーサーズ用大口径レンズの新ラインナップとなる「17mmF1.8」をフォトキナで開発発表。
-35mm判換算で34mmレンズ相当の大口径レンズに。
-外観に高品位な金属外装を採用。
-「ED 12mmF2.0」と同じく、スナップショットフォーカス機能搭載。被写界深度メモリも採用。
-MSC機構によるフォーカシングを採用。静粛で高速なAF動作に。
-価格や詳細な仕様は未定。2012年前半発売予定。

●オリンパス
マイクロフォーサーズ用大口径広角レンズ
「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mmF2.0」にリミテッドブラックキットを限定発売

-既発売の「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mmF2.0」に限定版のブラックタイプを限定3,000ゼット発売。
-レンズ外装をブラック仕上げにすると同時、ブラックのレンズフードやレンズキャップも付属。
-基本仕様は「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mmF2.0」のシルバータイプと同等。
-124,950円。10月上旬発売。3,000セット限定。

●オリンパス
コンパクトカメラの新ブランドを「STYLUS」に統一。今秋以降のコンパクト機の新ブランドネームに
-オリンパスのコンパクトカメラのブランドネームを「STYLUS」に統一。
-今後はコンパクトカメラの総合ブランドとして「STYLUS」で展開。
-長年親しまれた「μ(ミュー)」は、今回のブレンド統一により、ブランドネームとしては消滅。

●オリンパス
F1.8〜2.5で28〜112mm相当大口径ズーム搭載
1/1.7型1,200万画素裏面照射型CMOS搭載高級機「STYLUS XZ-2」、日本国内向け発表

-大口径ズーム搭載コンパクト機「XZ-1」の後継機となる高級機「XZ-2」。
-あらたに、F1.8〜2.5の大口径な28〜112mm相当の4倍ズームを搭載。
-イメージセンサーは、1/1.7型1,200万画素裏面照射型CMOSセンサーを搭載。センサーシフト式手ぶれ補正機能搭載。
-多彩な機能設定ができるハイブリッドコントロールリングを搭載。レバー操作により、クリックあり、クリックなしの切り替えが可能。
-背面ディスプレイは、3.0型約46万ドットの可動式タッチ液晶を採用。「XZ-1」の有機ELパネルから、液晶パネルに変更。
-11種のアートフィルターを搭載。
-あらたに、着脱式グリップを搭載。取り外しても使用も可能。
-オープンプライス。10月下旬発売。

※写真は発表資料を複写。後ほど差し替えます。




※ドイツ・ケルンのフォトキナ会場に到着しました。
開催前日発表の新製品やプレスイベントを適時、現地よりお届けします。




※本日より、現地18日より開催される「フォトキナ2012」取材のため、ドイツ・ケルンに向かいます。
現地での通信環境などにより、更新が滞る可能性もありますので、予めご了解ください。







Google
WWW を検索 DigitalCamera.jp を検索

このWebサイト上の全ての画像及び文章の著作権は山田写真事務所DigitalCamera.jp)
またはそれぞれの原作者
が所有しています。
一切の許可なき転載を禁止します。

(C)1999-2009 Yamada Digital Photo Office & DigitalCamera.jp ALL RIGHTS RESERVED


mail to :
(E-MAILによるご質問、購入相談などはお受けしておりません )
This website does not sell the Digital camera.

バナー広告について

(Digitalcamera.gr.jp since 1999/12/08)
(Digitalcamera.jp since 2002/02/10)