デジタルカメラ・ジェーピー

2009年9月14日

ライカカメラ

「LEICA X1」「M9」「S2」、国内プレス向けイベント


●ライカカメラ
新世代ライカとなる「LEICA X1」「M9」「S2」の国内プレス向けイベントを開催
-2009年9月9日に世界同時発表された、次世代ライカモデル3機種を国内プレス向けに紹介。
-APSセンサー搭載コンパクト機「LEICA X1」、35mmフルサイズレンジファインダー機「M9」、中判デジタル一眼レフ「S2」を国内初公開。
-日本国内での価格と発売時期は、「X1」が実売約20万円前後・年内発売予定。「M9」は777,000円・9月末発売。「S2」は300万円・10月出荷予定。
-イベントには、ドイツ本社からプロダクトマネージャーなど2名が、このイベントのために来日。

<LEICA X1>
-APS-Cサイズのソニー製12.2メガCMOSセンサーを搭載した、レンズ固定式高級コンパクト機「LEICA X1」。
-ウルライカをはじめとしたバルナック系ライカの、両端が丸い”ライカシェイプ”デザインを採用。
-ボディー外装は金属製で、質感が高い。高級コンパクトというより、レンズ固定式の本格派ライカという感じだ。
-ボディーサイズはほぼ「E-P1」に近いもの。だが沈胴式レンズであり、軽量なため、携帯性も上々。
-レンズは35mm判換算で36mm相当となる「LEICA ELMARIT 24 mm f/2,8 ASPH.」を搭載。
-ボディー正面ダイアルはM型ライカの流れを汲むもので、操作性もよく、操作ミスも少なそう。
-電源スイッチはシャッターボタン周囲のノブで行う。連写は秒3コマで、RAWでも連続6コマの撮影が可能。
-マニュアルフォーカス操作は背面液晶右上のダイアルで行う。MF用のため、ダイアルの動きは適度なトルク感があり、微調整もしやすい。

-背面の液晶は2.7型タイプ。視認性はよさそうだが、液晶保護カバーが指紋で汚れやすいのが気になるところ。
-カメラ内のメニューはほぼすべて日本語化されており、操作に戸惑うこともない。
-ISO感度やホワイトバランスの設定も、内容が一覧できるため、とても分かりやすい。
-AF測距点は中央一点や11点マルチのほか、顔検出AF方式も可能。

-ストロボはポップアップ式。ライカシェイプを実現するため、発光部は丸くなっており、なかなかユニークな形状。
-手動ポップアップ時の動きはショックが少なく、安っぽさを感じることはない。
-オプションで、グリップとファインダーを用意。持ちやすさという点ではグリップをつけた方が安定感があるが、やや美しさがスポイルされる感じもある。
-ビューファインダーは往年の35mm用ファインダーの光学系を採用。明るくクリアで見やすい。
-レンズユニット単体も展示。沈胴式のレンズユニットは単焦点レンズということもあり、APSの割にコンパクト。内面反射もきわめて少なく、高コントラストが期待できそう。

-各種専用ケースも用意。写真はベルトへの取り付けもできるケース。色は茶系のもので、とても高級感がある。裏側の仕上げも丁寧だ。
-M9も収納できる小型キャリングバッグも用意。オープンカーの幌用素材を採用し、防滴性を確保。

<プレスイベント発言語録概要>
独ライカカメラ社 ダニエル氏
・ここにいられることを光栄に思う。日本のメディアは詳細で正確な情報を取り上げられている。ほかの、どの国のメディアにも見られない深みを持っている。
・先週水曜の発表させていただいたカメラを紹介したい。
・ウルライカから約100年。数々の商品を開発し、撮影の本質にこだわってきた。
・本質へのこだわりという伝統を引き継ぎ、次世代のお客様に自信を持ってお届けできる商品に。
・ライカは常に最良の写真機材を作ろうとしている。常に製造のための努力を惜しまない。お客様が最良のモノを求める。それを突き抜けるくらい最良のモノを求めている。
・われわれは、出費を惜しまない。想像できないような、考えられないような製品を作るために努力をしている。懐疑的なお客様もいるが、誇りを持ってカメラを開発している。
・最良の材料、パーツしか使わない。M型は約1300以上のパーツを使い、7時間以上の時間をかけている。毎日10万台製造するような、印刷のようなカメラに興味はない。
・ライカは常に最良の、撮影のためのツールを作ってきた。画家の筆や職人の道具を作ってきた。商品価値は目に見えるものであり、とてもパーソナルなもの。一流の料理人の使う包丁のような商品を目指している。
・約160年前に最初の種がまかれた、最初に顕微鏡を作ったとき。第二の歴史は、1919年のオスカーバルナック入社時から始まる。
・バルナックはライカのプロトタイプを作った。当初は単なるミニチュアカメラと思われた。
・ライカは、写真家を三脚から解放した。ブレッソンのような特別な瞬間を捕らえることを可能にした。
・カメラ業界の中で、競合他社と争っているわけではない、将来のユーザーはクラフトマンシップを愛している。クルマやスーツ、ワインのようなクラフトマンシップを商品に入れ込もうと仕事をしている。
・写真を撮る行為は、カメラとのインターフェースや道具としての価値だけでなく、その風景をその場所で、何のじゃまもなく、その瞬間を切り取れること。見る人に、そこにいる気にさせるものだと考えている。

独ライカカメラ社 プロダクトマネージャー 杢中氏
「LEICA X1」
・私は2007年5月にライカに入社した。ライカファンであり、日本のライカファンの代表として入社した。
・ライカに入って、はじめて自分が一から作った製品がこの「X1」。
・この商品を、自分からみなさんに説明したくて、ドイツから来ました。
・ライカは、偉大な発明として、36×24mm。ホットシューを作った。
・さらに、フィルムをカメラの両端に入れるための形として、ライカシェイプを作った。
・日本人はこの形を愛している。日本のライカファンがそう思っている。
・「X1」では、半円と直線のシェイプを楽しめる形状を採用。オリジナルライカに近い形状にした。

・ライカは小さなカメラながら、高画質を実現していた。小さくても、高画質なカメラ。
・「X1」は世界ではじめてAPSサイズCMOSセンサーを搭載。
・大きなセンサーを積んだ、小さなカメラが「X1」。小さくても高画質なカメラ。
・ビジネス面から見ると、現在のラインナップは、コンパクトとシステムカメラの両極。台数ベースでは、コンパクトが重要に。コンパクト機でライカに入った人もいる。
・コンパクト機からのステップアップするにも、これまでは値差があるシステムカメラしかなかった。その間を埋める商品として開発。
・ライカのシステムカメラからのサブカメラにも最適。画質の差もほぼ同じクラスの絵が撮れる。
・他社のデジタル一眼レフ、N社C社のサブ機としても、非常に便利。できあがりの絵も一眼レフに非常に近い。
・スターはレンズ。「X1」のために新設計されたレンズ。6群8枚で非球面1面。
・最初にセンサーありき。センサーにあわせて、最適設計されたもの。
・センサーと完全に一体化した形で工場から出荷され、最高の状態を保てる。
・5.5ミクロンピッチで、高感度でも高画質。レンズもF2.8であり、自然光を生かした撮影が楽しめる。
・狭い深度を生かした写真も簡単に撮れる。
・もっともこだわったのは究極のレスポンス。APS-Cのトロさを排除。起動時間2秒。
・フォーカスもとても高速。AFポイントは11点。顔認識も搭載。
・連写は秒3コマ。
・RAWデータでも連続6コマの撮影が可能。
・素材もすべて金属。トップカバーもアルミ。伝統的なライカの構成に。
・シャッターダイアルと絞りリングも装備。
・フラッシュはバルナックスタイルをスポイルしないように、苦労した。発光部が丸いものを採用。
・RAW現像はアドビのライトルームをバンドル。
・「made in Germany」。9月末からラインを流す。100%ではないが、アジアや日本の生産拠点のものも使っているが、外装やイメージクォリティーはゾルムスで行う。法律でも「made in Germany」が一番適切。
・昔の35mm用ビューファインダーの光学系を採用。
・ケースや速写ケースも用意。システムケースも開発。クルマの幌と同じ素材に。
・フラッシュは現行機とコンパチになっている。

・国内販売価格は20万円前後を予定。発売は1月を予定。年内発売を目標に動いている。

独ライカカメラ社 ダニエル氏
「LEiCA M9」
・今日、「ライカM9」を発表でき、たくさんの質問をいただけることを楽しみにしている。
・「M9」ではじめてフルサイズのセンサーを搭載した。
・われわれのゴールは、一目見て、M型ライカと分かる製品に。Mのコンセプトをアップデートし、モダナイズした。
・M9は現在市場にあるフルフレーム機のなかでもっとも小さなカメラ。プロレベルでもっとも目立たないカメラといえる。
・このMカメラの哲学は、写真により自由を与える。目立ちすぎてしまう、雰囲気を壊す、大きなカメラを持っていると入るのを断られるようなシチュエーションでの自由度を与えている。
・現在22本のMレンズを発売。M3以来数十万本のレンズがある。コダック社と深く関わりながら開発。Mの雰囲気を壊さずにフルフレームのカメラに成功した。
・センサーはM9専用ともいえるもの。1954年からのM3以降、ほとんどすべてのレンズを使える。18メガピクセルの画素数があり、M型ライカで過去最高。
・レンジファインダー用レンズはバックフォーカスが短く、センサーに対して後ろ玉が近い。センサー開発ではその点が苦労した。
・明るいレンズとの組み合わせや改良されたデジタル画像処理により、M9は光が十分でない条件でも高画質な写真が撮れる。
・市場にあるカメラの中でもっとも頑丈なカメラの一つ。シャーシはマグネシウム。トップとボトムは真鍮の削りだし。
・M9はユーザーからのフィードバックを忠実に入れさせていただいた。フルサイズのセンサーが欲しい。メニューからの6ビットレンズ以外のものも選択できるなど、要望に応えたモノになっている。
・Mの写真の要求は厳しい。その要望に応えるため、どんな状況でも、その撮影に支障が出ることがないように開発。
・世界でもっともコンパクトボディーのフルサイズ。フルサイズというよりも”ライカ判”。
・税込みで777,000円。今月末発売。


「LEICA S2」
・「ライカS2」。プロフェッショナルのために、プロフェッショナルが作ったカメラ。
・デジタル一眼レフのようなサイズに、大型センサーを積んだカメラ。
・「S2」のレンズはこのカメラのために設計されたもの。レンズシャッター付きレンズも本年終わりから開発。・すべてのS2用レンズは高い品質基準と製造工程、特別なガラスを使っている。これから何年も使えるモノであり、S2も進化させてゆく。
・プロ用機で唯一の防塵防滴カメラになる。
・シンプルな操作体系でカスタマイズもできる。
・中型センサーを搭載した、世界最高のカメラ。
・「プロのために、プロが作ったカメラ」といえる。
・サービスパッケージ付きでボディーが300万円。10月から出荷。


Q & A
Q.なぜ「M9」「S2」はライブビューでないのか?
A.センサーがライブビューに対応していない。M9はマイクロレンズシフトをMレンズ用にカスタムしているので、ライブビュー用センサーを入手するのは難しい。

Q.「M9」の電気系はコダックがどれくらい関係しているのか?
A.電気系はドイツのユーロス社(イエナ)と共同開発している。2-3年前からS2の開発が始まっていたので、社内キャパシティーの関係で鏡胴開発に。

Q.「S2」「M9」の台数目標は?
A.「S2」は中判マーケットの1/3を取りたい。「M9」は「M8」と同じくらい、10万台とはいわないが、ビジネスベースに乗る。月産1000台から1500台。日本は全世界の約10%。非常に重要なマーケット。「X1」は「M8」「M9」の約2倍の販売規模と考えている。いままでのライカのコンパクトより大きな台数を期待している。


Q.マイクロフォーズは?
A.われわれはフォーサーズ陣営であり、今後もサポートしてゆく。協業関係はいままで通り。X1はレンズ一体型の商品。レンズ交換型は長期に渡る計画になるので、慎重な検討がいる。大型センサーの優位性で考えると、一般用部材として入手できる12.2メガのCMOSセンサーを使用した。「X1」は、ソニー製センサーを採用している。

Q. X1の28mm化は? ズーム化は?
A. 35mmF2の案や、28mmにするという案があった。スナップカメラとして美しいプロポーションを考えた。まずは、美しいカメラを作りたいと考えた。24mmF2.8が一番バランスがよかった。

Q. EVF化は?
A. EVFは将来の可能性として考えている。できるだけシンプルにしたかった。企画意図として、どちらかというと、最先端を行くよりも、コンサバティブなものとして考えた。将来的には考えてゆきたいと思っている。




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